クイーンズボロ・プラザ駅

クイーンズボロ・プラザ駅

ニューヨーク市地下鉄のクイーンズボロ・プラザ駅は、クイーンズ区ロングアイランド・シティに位置する重要な高架駅です。クイーンズボロ橋のたもと、クイーンズ・プラザ地区にあり、BMTアストリア線とIRTフラッシング線の主要な乗換駅として機能しています。

駅の構造と現状

この駅は二層構造で、各層に島式ホーム1面と線路2線が配置されています（全体で2面4線）。上層ホームは主にクイーンズ方面、下層ホームはマンハッタン方面の列車が使用します。北側の二線はBMTアストリア線が使用し、南側の二線はIRTフラッシング線が使用しています。

クイーンズボロ・プラザ駅は、現代のニューヨーク市地下鉄において、Aディビジョン（7系統）とBディビジョン（N・W系統）の間で、ホームを挟んで対面乗り換えが可能な唯一の駅という特異な位置づけにあります。これは、異なる歴史を持つ二つの鉄道路線が乗り入れるこの駅ならではの機能です。

現在、以下の系統が乗り入れています。
7系統 (終日): IRTフラッシング線普通
N系統 (終日): BMTアストリア線・ブロードウェイ線直通
W系統 (平日): BMTアストリア線・ブロードウェイ線直通
<7>系統 (ラッシュ時混雑方向): IRTフラッシング線急行

駅の設備として、下層ホームの下にメザニンがあり、地上へアクセス可能です。IRTフラッシング線へのCBTC導入に伴い、新しい信号扱所も設置されています。なお、近隣のINDクイーンズ・ブールバード線クイーンズ・プラザ駅とは物理的に接続しておらず、改札外での無料乗り換えはできません。

歴史

クイーンズボロ・プラザ駅は開業当時、各層4線、計8線の規模を誇り、IRTは南側、BMTは北側の構造を使用していました。初期のIRTの運行はクイーンズボロ橋を経由し、IRT2番街線へと接続していました。BMTもブロードウェイ線との間で運行されていました。

かつて、アストリア線とフラッシング線はIRTとBMTによる共同運行が行われていました。ホームはIRT規格だったためBMTは小型車両を使用し、両路線の乗り換えはこの駅で必須でした。初期には停車位置や入口が異なり、自由な乗り換えは制限されていましたが、両社は駅の収益を共有していました。

1949年10月17日の大規模改修により、構造と運行体制が大きく変わります。IRTとBMTの共同運行が終了しそれぞれ単独運行となりましたが、旧BMTホーム閉鎖の代わりに、IRTとBMTの線路が同一層に配置され、ホームを挟んで対面乗り換えが可能となり、利用者の利便性が大幅に向上しました。アストリア線からスタインウェイ・トンネルへの連絡線はこの時撤去されました。1964年には、長らく放置されていた北側の旧構造物が撤去されましたが、上層の渡り線の一部は現在も営業外の列車回送などに使用されています。

ポップカルチャー

クイーンズボロ・プラザ駅はいくつかの作品に登場します。映画『続・猿の惑星』では核戦争後の地下駅として描かれましたが（実際は高架）、他にドラマ『となりのサインフェルド』、『アグリー・ベティ』、『ニュースルーム』、TVショー『キング・オブ・クイーンズ』などにも登場しています。

クイーンズボロ・プラザ駅は、その長い歴史とニューヨーク市地下鉄における特別な役割を持つ、ユニークな駅です。

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