クイーン・メリー (客船)

クイーン・メリー（RMS Queen Mary）

クイーン・メリーは、キュナード・ラインが所有していた名船であり、サウサンプトンとニューヨークを結ぶ定期航路で運航されていました。建造が始まったのは1930年代、スコットランドのクライドバンクにあるジョン・ブラウン・アンド・カンパニーで、当時のヨーロッパにおける客船建造の競争の中で誕生しました。この船は、1936年から1967年まで活躍し、その後はロングビーチで博物館船として静態保存されています。

命名・建造の経緯

クイーン・メリーの建造は、競争が激化するヨーロッパの客船市場に応えるものでした。当時、ドイツが存在する強力なライバルとして「ブレーメン」と「オイローパ」を建造していたため、イギリスも遅れを取るわけにはいきませんでした。キュナード・ラインは、75,000トンの客船を建造する計画を立て、534番船体である本船は当初「ヴィクトリア」と名付けられる予定でした。しかし、王室への命名の許可を得る際、誤解から「クイーン・メリー」という名前が付けられることとなります。

キュナード・ラインは1931年の世界恐慌により建設が一時中断されますが、政府の支援を受けて合併を果たし、建設は再開。1934年に進水式が行われ、1936年には処女航海を果たしました。

船の歴史と仮装の競争

「クイーン・メリー」は1936年から北大西洋を横断する定期便として、優れた速力と広い客室数を誇りました。内装は豪華で、室内プールや図書館、食堂などが設置され、多くの人々に愛されました。しかし、ライバル「ノルマンディー」に比べ、デザインが伝統的すぎるとの批判もありました。それでも、「クイーン・メリー」は1936年にブルーリボン賞を獲得し、以降もその輝かしい航海は続きました。

第二次世界大戦におけるサービス

戦争勃発後、「クイーン・メリー」は軍用輸送船として活躍し、1度の航海で15,000人の兵士を運ぶ能力を持つ藍泉でした。この時期、彼女は灰色に塗装され「灰色の幽霊」と呼ばれるようになります。多くの危険を回避しながら、彼女は連合国軍の兵士を無事に輸送し続けました。1945年にヨーロッパでの戦争が終結した後、彼女は再び旅客船として改装されました。

引退とその後

しかし、1950年代に入ると航空機の普及が進み、大西洋横断客船の需要が下降。その後1967年に引退し、アメリカ・ロングビーチに保存されることとなりました。現在ではホテルやレストラン、会議場として利用され、多くの訪問者を迎えています。

現在の役割

「クイーン・メリー」は、現在ロングビーチ港の重要なランドマークとして市民に親しまれ、1972年公開の映画『ポセイドン・アドベンチャー』の撮影にも使用されました。彼女の豊かな歴史は、多くの人々に感謝され、今もなお彼女の魅力は健在です。

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