クエストシリーズ

クエストシリーズ：本格派ボードゲームアプリの世界

Mindwalk株式会社が運営する「クエストシリーズ」は、将棋、囲碁、チェス、オセロ、連珠、バックギャモンの6種類ものボードゲームアプリを網羅した、オンライン対戦アプリシリーズです。コンピュータ将棋開発にも携わった棚瀬寧氏によって開発され、それぞれのアプリは独立して存在しながらも、アカウント連携などの相互機能も備えています。

基本情報とゲーム性

各アプリは基本無料でプレイ可能であり、ブラウザ版も提供されていますが、機能性の観点からアプリ版の利用が推奨されています。対戦相手は自動マッチングされ、設定で許可していればボットとの対戦も可能です。

イロレーティングシステムに準拠したレーティングシステムが採用されており、プレイヤーの実力を数値で示します。レーティングは対局数や活動状況によって「仮レート」となる場合があり、変動幅が大きくなるほか、表示レーティングが実際のレーティングより低くなる場合があります。長期間プレイしていない場合も仮レート状態となるため、定期的なプレイが推奨されます。ランキングには一定期間プレイしたアクティブプレイヤーのみが反映されます。

さらに、先手後手別、戦術別のレーティングも記録され、詳細な分析が可能です。将棋、囲碁、オセロでは、ルールバリエーションごとにレーティングが算出され、全てのアプリのレーティングを統合した「総合成績」レーティングも存在します。レーティングに応じて段級位が認定され、一度認定された段級位は降格しません。

ルールと不正行為対策

各アプリの対局ルールは、基本的には各ボードゲームの一般的なルールに準拠していますが、一部独自の規則が採用されている部分もあります。例えば、将棋では500手以上で引き分け、囲碁では中国ルールを採用するなど、個々のゲームの特徴を反映した調整がなされています。

不正行為の防止にも力を入れており、コンピューターソフトの使用（ソフト指し）、アカウントの複数作成、必敗局面での放置、意図的な投了など、フェアプレーを阻害する行為は厳禁とされ、アクセス禁止などのペナルティが科せられます。

アプリごとの特徴

将棋クエスト

2014年にリリースされた将棋アプリです。長考（10分切れ負け）、5分切れ負け、2分切れ負け、ついたて将棋の4つのルールが用意されています。ついたて将棋は、当初は独立したアプリとして運営されていましたが、2014年に将棋クエストに統合されました。

「ひとりで練習」モードでは、実戦譜に基づいた詰将棋を解く「詰めチャレ」やCPU対戦などが可能です。クエストシリーズで最初にアバター機能が実装されたアプリでもあります。

囲碁クエスト

2014年リリースの囲碁アプリです。9路盤、13路盤、19路盤の3種類の対局ルールがあり、持ち時間にはフィッシャールールが採用されています。中国ルールが採用されており、地合判定は自動で行われます。コミは7目です。

「ひとりで練習」モードでは、詰碁を解く「囲碁詰めチャレ」がプレイできますが、無制限プレイには有料のプレミアムプランへの加入が必要となります。プロ棋士による監修も特徴の一つです。2022年からアバター機能が実装されました。

チェスクエスト

2014年リリースのチェスアプリです。2022年現在、対局ルールは1種類のみです。持ち時間にはフィッシャールールが採用されています。

オセロクエスト

2014年リリースのオセロアプリです。「5分対局」「1分対局」の2つのルールがあり、いずれも切れ負け方式です。当初は「リバーシ大戦」という名称でしたが、2018年に「オセロクエスト」へ改称されました。「ひとりで練習」モードでは、詰めオセロを解く「オセロ詰めチャレ」などがプレイ可能です。

五目クエスト

2017年リリースの連珠アプリです。持ち時間にはフィッシャールールが採用され、黒番の三三、四四、長連は禁じ手です。黒番レーティングが1700を超える場合は、珠型交替打ちとなり、3手目まで進行後、白番が先後を選択できます。100手までに勝敗が決まらない場合は引き分けとなります。「ひとりで練習」モードでは、四追いを解く「四追いチャレンジ」などがプレイ可能です。プレミアムプラン加入で広告なしの無制限プレイが可能です。日本連珠社による段級位認定も行われています。

バックギャモンクエスト

2018年リリースのバックギャモンアプリです。他のクエストシリーズとは異なるUIが特徴です。持ち時間にはディレイ方式が採用されています。

トライボーディアン

2015年から開催されている「トライボーディアン」は、将棋クエスト、囲碁クエスト、オセロクエストを用いた3競技の大会です。アマチュア棋戦には参加しないプロ棋士も参加するなど、独特の特色があります。2018年にはトライボーディアン協会が発足しました。

関連書籍

クエストシリーズ関連の書籍も発売されています。詰将棋問題集や囲碁詰碁問題集など、学習に役立つ書籍も充実しています。

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