クバーニ＝黒海ソビエト共和国

クバーニ＝黒海ソビエト共和国（ロシア語: Кубано-Черноморская Советская Республика）は、1918年5月30日から7月6日というごく短期間に存在した、ロシア社会主義連邦ソビエト共和国の構成共和国の一つです。

この共和国は、1918年3月にトゥアプセで開催された黒海県ソビエト大会で成立した黒海ソビエト共和国と、その翌月4月にエカテリノダールで開催されたクバーニ州ソビエト大会で成立したクバーニ・ソビエト共和国が合同する形で誕生しました。

両共和国の合同は、1918年5月27日から30日にかけて、特別委員セルゴ・オルジョニキゼの監督の下、エカテリノダールで開催された第3回臨時クバーニ・黒海ソビエト大会において宣言されました。この大会で、クバーニ＝黒海ソビエト共和国の中央執行委員会が組織され、27人のボリシェヴィキと17人の社会革命党左派から構成されました。人民委員会議議長にはヤン・ポルヤンが選出されました。

しかし、クバーニ＝黒海ソビエト共和国の存続は長くは続きませんでした。設立直後から、アントーン・デニーキン率いる白軍義勇軍との対立が激化し、その防衛のために、1918年7月5日から7日にかけてエカテリノダールで開催された第1回北カフカース・ソビエト大会において、スタヴロポリ・ソビエト共和国、テレク・ソビエト共和国を合併する形で、北カフカース・ソビエト共和国の一部となりました。

このように、クバーニ＝黒海ソビエト共和国は、ロシア内戦という激動の時代の中で、短期間のみ存在したソビエト共和国でした。その誕生と消滅は、当時の政治情勢と各勢力の複雑な力関係を反映しています。

成立の経緯

黒海ソビエト共和国の成立: 1918年3月、トゥアプセで開催された黒海県ソビエト大会において、黒海ソビエト共和国が成立。
クバーニ・ソビエト共和国の成立: 1918年4月、エカテリノダールで開催されたクバーニ州ソビエト大会において、クバーニ・ソビエト共和国が成立。
合同の決定: 1918年5月27日から30日、エカテリノダールで開催された第3回臨時クバーニ・黒海ソビエト大会において、両共和国の合同が決定。

組織

中央執行委員会: 27人のボリシェヴィキと17人の社会革命党左派で構成。
人民委員会議議長: ヤン・ポルヤンが就任。

消滅とその後

北カフカース・ソビエト共和国への統合: 1918年7月5日から7日に開催された第1回北カフカース・ソビエト大会において、スタヴロポリ・ソビエト共和国、テレク・ソビエト共和国と合併し、北カフカース・ソビエト共和国の一部となる。

クバーニ＝黒海ソビエト共和国の短命な存在は、当時のロシア内戦の混乱と、ソビエト政権の不安定さを象徴しています。この共和国が統合された北カフカース・ソビエト共和国も、その後、ロシア内戦の激化の中でその歴史を終えることになります。

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