クムル市

クムル市（ハミ市）

クムル市は、中華人民共和国新疆ウイグル[[自治区]]に位置する地級市で、ウイグル語ではクムル、中国語では哈密市（ハミし）と呼ばれます。新疆ウイグル[[自治区]]の東部に位置し、ハミ盆地に広がっています。この地域は、天山山脈の東端に位置し、バルクル山やカルリク山の山麓が市の境界を南北に分けています。

地理と環境

クムル市は、北と北東でモンゴルと国境を接しており、北西は昌吉回族自治州、南西はトルファン市、南はバインゴリン・モンゴル自治州、南東は甘粛省酒泉市と隣接しています。天山山脈の南麓はハミ盆地とゴビ砂漠が広がり、その間にオアシスが点在します。北麓は広大な草原が広がっており、季節性の小河川や塩湖が見られます。市全体の面積は約137,000平方キロメートルです。

人口構成

クムル市の人口は約61.7万人で、漢民族が70％、ウイグル族が18％、カザフ族が9％、回族が3％を占めています。市政府は伊州区に位置しています。

語源

クムルの名称は、ウイグル語の「クムル (Kumul)」「コムル (Qomul)」に由来し、モンゴル語では「ハミル (Khamil)」と呼ばれます。中国語の「哈密」（Hami）は、これらの名称の漢字転写です。

歴史

クムル市は、歴史的に様々な変遷を経てきました。1949年に新疆省クムル専区が成立し、その後、自治区の成立に伴い新疆ウイグル[[自治区]]クムル専区となりました。1961年にはクムル市が発足しましたが、後に一時的にクムル県に編入されました。1977年に再びクムル市が発足し、2016年に地級市のクムル市に昇格しました。2021年には、伊州区の一部が分立し、自治区直轄県級行政区の新星市となりました。

年表

1949年10月1日：新疆省クムル専区成立（クムル県、アラトゥルク県、鎮西県、七角井中心区）
1953年11月20日：鎮西県がバルクル県に改称
1954年4月12日：七角井中心区がクムル県に編入
1954年9月30日：バルクル県がバルクル・カザフ族自治区に
1955年4月14日：バルクル・カザフ族自治区がバルクル・カザフ自治県に
1955年9月13日：新疆ウイグル[[自治区]]クムル専区に
1961年1月25日：クムル県の一部が分立し、クムル市発足
1962年10月20日：クムル市がクムル県に編入
1970年11月25日：ピチャン県を編入
1975年1月30日：クムル専区がクムル地区に改称、ピチャン県はトルファン地区へ
1977年1月6日：クムル県の一部が分立し、クムル市発足
1983年9月9日：クムル県がクムル市に編入
2016年1月7日：クムル地区が地級市のクムル市に昇格、伊州区となる
2021年2月4日：伊州区の一部が分立し、新星市となる

行政区画

クムル市は、以下の行政区画を管轄しています。

市轄区：伊州区
県：アラトゥルク県（伊吾県）
自治県：バルクル・カザフ自治県（巴里坤哈薩克自治県）

経済

クムル市では、鉱業が盛んで、石炭、鉄、銅、ニッケル、金などが産出されます。また、トルファン市とハミ市にまたがるトゥハ油田（吐哈油田）も重要な資源です。農業も盛んで、特にハミ瓜（マスクメロン）の栽培が有名です。北部のバルクル・カザフ自治県では、馬やラクダの飼育も盛んです。

軍事

近年、アメリカ合衆国の民間シンクタンクは、衛星写真からハミ周辺に110基に及ぶICBMミサイルサイトを発見したと報告しています。

交通

クムル市には、G312国道（上海～ウルムチ市）が通っており、京新高速道路（北京～ウルムチ市）も建設中です。鉄道は、蘭新線と蘭新線第二複線列車がハミ駅に停車します。また、空路にはハミ空港があります。

観光地

クムル市には、ハミ地区博物館、ハミ郡王家（ウイグル人のイスラム教王国）の王墓群、ケイス廟などの観光スポットがあります。

出身人物

アブドゥレヒム・オトキュル：詩人、作家、古典文学研究家

外部リンク

ハミ写真集：シルクロードのみどころ（西遊旅行）
ハミ写真集：ハミ（なま中国旅記録西遊旅行）

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