クラウンレコード1万円クイズ

『クラウンレコード1万円クイズ』は、1967年から1992年まで日本クラウン提供で放送されたラジオ番組シリーズです。同社の楽曲を「今週の推薦曲」として頻繁に流し、賞金や賞品付きのクイズ企画を行うという内容でした。帯番組として長年親しまれましたが、2004年にレギュラー放送が復活した後、2010年代以降にネット局が相次いで離脱し、シリーズは事実上終了しました。

歴史

1967年、文化放送をキー局として『クラウンレコード千円クイズ』としてスタートしました。その後、インフレが進んだため、賞金を増額し『クラウンレコード1万円クイズ』に改称しました。1969年から1972年まではTBSラジオに放送局を移し、小川哲哉アナウンサーの司会で月曜から土曜の帯番組として放送されました。1972年10月からは、小川アナウンサーの退社に伴い、TBSラジオでの放送枠は昼のワイド番組『榎さんのお昼だよ～！』に内包され、月曜日から金曜日の放送となりました。

1973年からは、キー局をニッポン放送に移し、最盛期には全国32局でネットされました。番組は基本的に全国同一の内容でしたが、ニッポン放送では、ディスクジョッキーの梶幹雄が生ワイド番組『梶みきおの昼休み天国』を担当していた時期に、同番組内の独立コーナーとして、ネット向けとは異なる内容の『クラウンレコード1万円クイズ』を生放送していました。また、朝日放送でも企画ネットとして、生ワイド番組中の独立コーナーとして生放送されていた時期があります。

懸賞金については、「毎週1名様に賞金1万円」、「毎月20名様に賞金1万円」、「毎日1名様に賞金1万円」など、時期によって変更がありました。応募葉書の宛先は当初、「有楽町の旧ニッポン放送の住所」または「今お聞きの放送局のクラウンレコード1万円クイズの係」でしたが、途中から「今お聞きの放送局のクラウンレコード1万円クイズの係」に短縮されました。

1983年4月からは、『クラウンレコード・ラッキープレゼント』としてリニューアルされ、テーマ曲には『函館の女』のインストゥルメンタルが採用されました。1万円の賞金は、自転車やバスタオルセットなどの賞品に変更されましたが、番組構成は大きく変わらず、クラウンレコードの新曲紹介、季節の話題を交えたトーク、クイズの出題という流れでした。クイズは基本的に3択で、毎月最終火曜日に当選者が発表されました。

『ラッキープレゼント』への改編後には、梶幹雄に加え、村上幸子や真咲よう子など、日本クラウン所属の若手女性演歌歌手がアシスタントとして登場しましたが、リニューアルは不評に終わり、その後、再び『クラウンレコード1万円クイズ』にタイトルと内容が戻されました。しかし、1992年に梶幹雄がニッポン放送を退職したことで番組は終了し、25年の歴史に幕を閉じました。

その後、ニッポン放送は『クラウンレコード1万円クイズ』と酷似した内容の『東芝EMIミュージックスクランブル』を、競合会社の東芝EMIをスポンサーにつけて開始し、NRN系列局向けに裏送り放送を続けました。

クラウンレコード1万円クイズ（第四シリーズ）

10年以上のブランクを経て、2004年春に文化放送をキー局として『クラウンレコード1万円クイズ』が復活しました。クラウンレコード所属歌手の新曲や推薦曲を紹介し、それに関連するクイズを1週間連続で出題するという形式は変わっていませんでしたが、3分枠の企画ネットに短縮され、ネット局数も大幅に減少しました。2010年代に入り、ネット局での放送終了が相次ぎ、シリーズは事実上終了しました。

シリーズの変遷

クラウンレコード千円クイズ - 1967年 - 1969年（文化放送制作）
クラウンレコード1万円クイズ（TBSラジオ版、第一シリーズ）- 1969年 - 1973年3月（TBSラジオ制作）
クラウンレコード1万円クイズ（第二シリーズ） - 1973年4月 - 1983年3月（ニッポン放送制作）
クラウンレコードラッキープレゼント - 1983年4月 - 不明（ニッポン放送制作）
クラウンレコード1万円クイズ（第三シリーズ） - 不明 - 1992年（ニッポン放送制作）
クラウンレコード1万円クイズ（第四シリーズ） - 2004年 - 2010年代（文化放送制作）

ネット局

STVラジオ　平日12時46分 -　『みのや雅彦のときめきワイド』内（『クラウンレコードお昼の1万円クイズ』名義）
東北放送　平日14時55分 -　『ロジャー大葉のラジオな気分』内
東海ラジオ　平日10時45分 -　『かにタク言ったもん勝ち』内
ラジオ大阪　平日13時10分 -　『ほんまもん!原田年晴です』内
九州朝日放送　平日12時40分 -　『PAO〜N』内

クラウンレコード1万円クイズ