クリミナルタイプ

クリミナルタイプ：アメリカとフランスを舞台に活躍した名馬

クリミナルタイプは、アメリカ合衆国で生産され、フランスとアメリカで競走生活を送ったサラブレッドです。恵まれた能力と華麗な走りで、1990年のアメリカ競馬界を席巻しました。その活躍ぶりは、数々の栄誉と記録に刻まれています。

華々しい競走生活：G1競走制覇と栄誉

1987年、フランスでデビューしたクリミナルタイプは、当初は目立った成績を残せませんでした。しかし、アメリカに移籍後、ウェイン・ルーカス厩舎の指導の下、着実に力をつけていきます。アローワンス競走で経験を積み重ね、1990年、ついにその才能が開花します。

サンパスカルハンデキャップ、サンアントニオハンデキャップとG2競走を連勝した後、サンタアニタハンデキャップとサンバーナーディーノハンデキャップで2着と好成績を収めます。そして、ピムリコスペシャルハンデキャップでG1競走初制覇を成し遂げます。続くメトロポリタンハンデキャップでも優勝し、G1競走連勝を達成。勢いは留まるところを知らず、ハリウッドゴールドカップハンデキャップでは、名馬サンデーサイレンスを破り、G1競走3連勝を飾りました。さらにホイットニーハンデキャップも制し、G1競走4勝目を挙げました。

これらの活躍により、1990年のエクリプス賞年度代表馬、最優秀古牡馬に選出され、その年のアメリカ競馬界における最高の座に就きました。9月のウッドワードハンデキャップを最後に競走生活に幕を閉じますが、その輝かしい戦績は多くの競馬ファンの記憶に刻まれています。

種牡馬としての成功と晩年

競走馬引退後は、カルメットファームで種牡馬となりました。その後、カルメットファームの倒産に伴い、日本へ輸入され、大塚牧場で繋養されました。日本では2004年まで種牡馬として活躍し、362頭の血統登録頭数を記録、そのうち317頭が出走しました。

その産駒からは、Hoolie（ドワイヤーステークス）、Madame Adolphe（ネクストムーヴハンデキャップ）、オンワードメテオ（東京ハイジャンプ、新潟ジャンプステークス）、サキノテンリュウ（王冠賞）、エーブブレーン（新潟記念、新潟グランプリ）など、G2・G3クラスの重賞優勝馬を輩出しました。さらにブルードメアサイアーとしても成功し、Ten Most Wanted（トラヴァーズステークス）、Moriarty（キングストンタウンクラシック）、ブラックムーン（東京2歳優駿牝馬）、サンデーカロ（北海優駿）などの活躍馬を送り出しました。

2004年秋には、功労馬繋養施設のオールドフレンズへの移動が予定されていましたが、2005年3月9日、胃破裂のため大塚牧場で死亡しました。

血統背景と競走馬としての能力

クリミナルタイプの半姉には、G1競走6勝のエストラペイド、エミリオトゥラティ賞（イタリアG1）勝ちのアイソパッチがいます。これらの血統背景も、クリミナルタイプの能力の高さを示唆しています。

クリミナルタイプは、その卓越した能力と華麗な競走生活、そして種牡馬としての成功によって、競馬史に名を刻んだ偉大な競走馬と言えるでしょう。その功績は、多くの競馬ファンに長く語り継がれていくことでしょう。

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