クリーム1号

クリーム1号とは

クリーム1号は、日本の国有鉄道（国鉄）が採用した色名の一つである。この色は、1958年10月に登場した20系客車や、特急「はつかり」のために整備されたスハ44系客車の帯色として初めて用いられた。これにより、国鉄の車両のデザインに新しい風が吹き込まれたことを示している。

歴史と変遷

1962年には、国鉄は塗装色の統合と標準化を進め、「スカ色」と呼ばれる横須賀線等で使用されるカラーリングが改訂され、クリーム1号が青15号の裾色と組み合わされた。この変更は、1962年の秋に117系の横須賀線投入に伴い実施され、他の「スカ色」の電車にも順次反映されていった。この時期のクリーム1号の側面窓回りの塗り幅は、典型的な湘南色の黄かん色に比べて狭くなっているのが特徴である。これに対し、前面下部の塗り分けは、111系・113系では45度に、115系では直角に仕上げられており、「湘南色」との共通点が見受けられる。

国鉄の末期になると、クリーム1号を基にした地域色の新たな塗装が多く登場するようになり、国鉄の車両の見た目に多様性を持たせる重要な要素となった。クリーム1号は、直流電気機関車のフロントにある警戒色としても利用されており、その用途は多岐にわたる。

車両への使用

クリーム1号は、さまざまな国鉄の車両に採用されている。具体的には、以下のような車両がある。

• - 国鉄10系客車
• - 国鉄20系客車
• - 国鉄70系電車
• - 国鉄113系電車
• - 国鉄115系電車
• - 国鉄117系電車
• - 国鉄583系電車
• - 国鉄713系電車（初出時）
• - 国鉄EF58形電気機関車
• - EF67形を除く新型直流電気機関車
• - JR東日本209系電車
• - JR東日本E217系電車
• - JR東日本E235系1000番台（横須賀線の帯色として）
• - 国鉄711系電車（新色の帯色として）
• - 国鉄キハ35系気動車（相模線用車両）
• - 車掌車

近似色と関連汎用

クリーム1号に類似した色として、クリーム2号や東武セイジクリーム（1985年まで通勤形車両に使用された標準色）などが挙げられる。西武5000系（初代レッドアロー）や、阪神ジェットカーの上半分のクリーム色部分も、クリーム1号に近いとされる。この他、大阪市営地下鉄の普通鋼製車両にもかつてクリーム1号に近い色が使われていた。

このように、クリーム1号は国鉄の車両塗装において重要な役割を果たし、時代を超えて多くの車両に愛される色として定着している。また、国鉄色の一部として位置づけられることから、その名称は広く知られることとなった。

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