クルムバッハ

ドイツ、バイエルン州の都市クルムバッハ：歴史と文化の融合

バイエルン州オーバーフランケン行政管区に位置するクルムバッハは、白マイン川沿いに広がる歴史豊かな都市です。古城と現代都市が調和した街並み、そして特産品であるビールとソーセージ、さらに世界有数の錫人形コレクションは、クルムバッハを訪れる人々を魅了してやみません。

歴史：900年から続く街の物語

クルムバッハの歴史は古く、西暦900年頃には、現在のシュピーゲル地区に小さな集落が存在していました。マイン川の渡河地点として戦略的に重要な位置を占めていたこの集落は、林業の中心地でもありました。その後、シュヴァインフルト伯の支配下に入り、1028年から1040年頃に書かれたアルクィンの聖書には「Kulma」として記述されており、これが最古の史料となっています。この地名は、この地を流れる小川の名前（Culmin-aha, Culmna）に由来するといわれています。

シュヴァインフルト伯家の断絶後、クルムバッハはディーセン＝アンデクス家の所有となりました。ディーセン伯は周辺地域を支配下に置き、12世紀前半にはプラッセンブルク要塞の建設に着手しました。要塞の周辺には市場や教会が建設され、「オベーレシュタット」（上の町）と呼ばれる地域が形成されました。アンデクス家は帝国諸侯に昇格し、メラニア公爵家としての地位を確立しました。1231年頃にはクルムバッハは都市権を獲得しています。

その後、オーラミュンデ伯、ホーエンツォレルン家の支配を経て、17世紀までプラッセンブルク城は城伯の宮廷所在地、あるいはクルムバッハ侯領（ブランデンブルク＝クルムバッハ侯領、後にブランデンブルク＝バイロイト侯領）の首都として栄えました。バンベルク、ニュルンベルクなどを結ぶ交易路沿いに位置したクルムバッハは、商業都市としても発展し、織物や染色の職人ギルドが形成されました。1398年には、人口は1500～2000人に達していたと推定されています。

1430年にはフス派による略奪と火災に見舞われましたが、その後復興を遂げ、ペテロ教会はネオゴシック様式で再建されました。1553年には、ブンデスシュテンディッシェン戦争（第二次辺境伯戦争）で町は略奪を受け、プラッセンブルク城も焼失しました。この戦争の様子は、現在も残る錫人形博物館でジオラマとして再現されています。

文化と観光：プラッセンブルク城と世界最大の錫人形コレクション

クルムバッハのシンボルともいえるプラッセンブルク城は、ルネサンス様式の城郭建築としてドイツ最大級を誇ります。「白い女」伝説が伝えられるこの城には、ドイツ錫博物館プラッセンブルクやプラッセンブルク州立博物館があります。

州立博物館では、エプシュトルファーの世界地図のレプリカ、1553年のクルムバッハ破壊と復興のコーナー、そしてかつての宮廷都市の復元模型を見学できます。また、三十年戦争の際に隠された富裕商人の財宝も発見されています。さらに、フリードリヒ大王武器博物館、オーバーマイン地方博物館なども存在し、歴史愛好家にはたまらないスポットです。

クルムバッハでは、中世の温泉施設であるバートハウスも必見です。修復された温泉室や休憩室は、中世の暮らしを垣間見せてくれます。上階は現代アートのギャラリーとして活用されており、歴史と現代が融合した空間となっています。

バイエルンビール醸造博物館では、600年以上続くクルムバッハのビール造りの歴史を学ぶことができます。博物館併設のビアガーデンでは、伝統的なバイエルンビールを味わうことができます。また、パン博物館も併設されており、ビールとパンの深い繋がりを体感できます。

その他の見所

クルムバッハには、市庁舎、白の塔、赤の塔、ルイトポルトの泉、ペテロ教会、施療教会、ランクハイマー管区庁舎、ハイリンクシュヴェルト塔など、歴史的建造物が数多く残されています。これらの建造物は、クルムバッハの歴史と文化を物語る重要な遺産です。

クルムバッハの特産品

クルムバッハは、クルムバッハ風ソーセージ（ブラートヴルスト）と、世界最強ビールとして知られるシュタルクビーアEKU28でも有名です。これらの特産品は、クルムバッハを訪れた際にはぜひ味わいたいものです。

クルムバッハは、歴史と文化、そして現代が調和した魅力的な都市です。古城や博物館、歴史的建造物、そして特産品を巡る旅は、忘れられない思い出となるでしょう。

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