クレオメネス2世

クレオメネス2世の略歴とその治世

クレオメネス2世（紀元前? - 紀元前309年）は、古代スパルタのアギス朝に属する王で、在位期間は紀元前369年から紀元前309年までの約60年間でした。彼はクレオンブロトス1世の子であり、先王アゲシポリス2世の弟とのことです。兄の死を受けて若くして王位を継承しましたが、彼自身の治世には特筆すべき功績は見当たりません。

彼の即位の前には、紀元前371年に発生したレウクトラの戦いでスパルタが大敗し、その結果、スパルタはギリシアにおける覇権を失ったため、彼の治世はスパルタの衰退の象徴とされています。特に古代の時代において、スパルタは強大な軍事力と勇猛さで知られていたにも関わらず、クレオメネス2世の治世の間はその影響力を維持することができませんでした。

紀元前4世紀の中頃、ピリッポス2世がマケドニアを強化し、ギリシア諸国に対する影響力を拡大していく中で、スパルタは他国と連携することなく孤立していきました。スパルタはその名声と力をもって他のギリシアの国家と連携し、マケドニアの台頭に対抗する機会を逸したのです。これは後のマケドニアの支配を容易にする結果となりました。

紀元前331年、アレクサンドロス3世が東方に遠征していた際、クレオメネスはエウリュポン朝の王アギス3世と共に一時的にマケドニアに対して反乱を試みましたが、メガロポリスの戦いで敗北し、その反乱は迅速に鎮圧されてしまいます。この事件は、彼の治世におけるスパルタの力がいかに脆弱であったかを物語っています。

家庭面では、クレオメネス2世には2人の息子、アクロタトスとクレオニュモスがいましたが、アクロタトスは早逝しました。そのため、次期王位の継承を巡ってクレオニュモスが争った結果、アクロタトスの子であるアレウス1世が王位を獲得することとなりました。

クレオメネス2世の治世は、スパルタにとっての重要な歴史の一部であり、その著名な王国がどのように衰退していったのかを考えるきっかけとなります。彼の生涯は、古代ギリシアにおける政治的な競争や力関係の変化を理解するための資料としても重要です。

参考文献

• - ディオドロスの『歴史叢書』の英訳
• - パウサニアス著、飯尾都人訳『ギリシア記』龍渓書舎、1991年
• - プルタルコス著、村川堅太郎他訳『世界古典文学全集 プルタルコス』筑摩書房, 1966年

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