紀元前309年

紀元前309年は、ローマ暦における重要な年であり、当時、「ルキウス・パピリウス・クルソルが独裁官に就任した年」として認識されていました。また、ローマ建国紀元445年ともされています。この年は、後に西暦が普及するにつれて、紀元前309年という表記が一般的になりました。

各地の紀年法

紀元前309年は、世界各地で異なる紀年法が用いられていました。

干支: 壬子
日本: 皇紀352年、孝安天皇84年
中国: 周 - 赧王6年、秦 - 武王2年、楚 - 懐王20年、斉 - 宣王11年、燕 - 昭王3年、趙 - 武霊王17年、魏 - 襄王10年、韓 - 襄王3年
朝鮮: 檀紀2025年
ベトナム: 仏滅紀元236年

紀元前309年に起こった主な出来事

小アジア

プトレマイオス1世が自ら軍を率い、リュキアおよびカリアの沿岸部をアンティゴノス1世から奪いました。

ギリシア

カッサンドロスは、アレクサンドロス3世の未亡人ロクサネと息子のアレクサンドロス4世を殺害し、マケドニア王国の支配を強めました。
アンティゴノス1世は、マケドニアの将軍ポリュペルコンとの関係を修復しようとしましたが、ポリュペルコンはカッサンドロスに寝返り、アレクサンドロス3世の非嫡出子ヘラクレスとその母バルシネを殺害しました。
アレウス1世が祖父クレオメネス2世の後を継いでスパルタ王となりました。
アテナイで国勢調査が行われ、市民2万1000人、外国人1万人、その他（女性、子供、奴隷）4万人という人口構成が明らかになりました。

カルタゴ

紀元前480年以降、貴族議会がカルタゴを支配していましたが、名ばかりの王ボミルカルが権力奪回を試みるも失敗し、共和政が確立しました。
アガトクレスはカルタゴを動揺させるため、北アフリカに上陸。キレナイカの支配者オフェラスと同盟を結び、カルタゴ市民を混乱させました。

共和政ローマ

サムニウムが再びローマに反抗。ルキウス・パピリウス・クルソルが独裁官に再任され、サムニウムとの戦いで勝利を収めました。

中国

秦が初めて丞相を設置し、樗里疾が右丞相に任命されました。
秦が古蜀を征服した直後、古蜀の技術者を使い、冠県の灌漑システムを構築しました。このシステムは現代でも使用されています。

誕生

この年に生まれた人物に関する記録はありません。

死去

ロクサネ - アレクサンドロス3世の妻
アレクサンドロス4世 - マケドニア王（紀元前323年生）
ヘラクレス - アレクサンドロス3世の非嫡出子（紀元前327年生）
クレオメネス2世 - スパルタ王
張儀 - 秦の戦略家

紀元前309年は、古代世界において、政治的変動、戦争、そして新たな権力構造の形成が活発に行われた年でした。特に、アレクサンドロス大王の死後、彼の遺産を巡る争いが激化し、多くの人物がその波に翻弄されました。また、共和政ローマや中国といった他の地域でも重要な出来事が起こり、それぞれの歴史に大きな影響を与えた年となりました。

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