クレージーだよ奇想天外

『クレージーだよ奇想天外』

この映画は1966年に東宝によって制作されたクレージー映画の中でも独特な作品であり、谷啓が単独主演する貴重な機会を提供しました。タイトルからも分かる通り、奇想天外なストーリーとユーモアに溢れた内容が特徴です。この作品は「作戦シリーズ」の第6作にあたります。観客動員数はなんと400万人を超え、興行収入8億8,000万円、配給収入4億4,000万円という当時の東宝の新記録を打ち立てました。同時上映された『アルプスの若大将』と共に、映画ファンに強烈な印象を残しました。

映画は、アメリカの喜劇映画を好む脚本家の田波靖男と坪島孝監督によって創り出され、SFと社会風刺、さらには人情劇といった多種多様な要素が見事に詰め込まれています。特に、坪島監督が以前から温めていたプロット『天国から来た男』を基にしている点が、この作品のユニークさを引き立てています。

ストーリー概要

物語は、文明が進んでいる遊星αを舞台にしています。宇宙の彼方にあるこの星では、地球の人々が戦争をし続けることに頭を悩ませています。そんな中、落ちこぼれの宇宙人M7（鈴木太郎）が、休暇を楽しんでいるときに地球からロケットが降ってきます。これが、遊星αの長官からM7への平和活動の指令へと繋がるのです。彼は地球へ赴き、憲法で戦争を放棄しているはずの日本において、地球人の鈴木太郎と入れ替わって任務を遂行する決意を固めます。

キャスト

主要キャストには、谷啓が演じるM7（鈴木太郎）や、植木等が遊星α長官として重要な役どころに立っています。また、ハナ肇、桜井センリ、安田伸、犬塚弘など、他のクレージーキャスト陣も揃って出演し、谷啓を支えています。植木等は、二つの異なる役柄を演じ分け、その演技力を活かしています。

音楽とスタッフ

音楽は、萩原哲晶と広瀬健次郎によって作曲され、時代を感じさせる挿入歌もふんだんに使用されています。たとえば、谷啓が歌う「虹を渡って来た男」など、楽曲が物語を彩る重要な要素となっています。

製作陣も優れたメンバーが揃い、監督の坪島孝をはじめ、脚本の田波靖男、撮影の宇野晋作などがこの作品のクオリティを高めました。

関連作品

本作に似た雰囲気を持つ映画に、1968年公開の『空想天国』があります。こちらも著名な作家・田波靖男による脚本で、同じようにユーモアと風刺が効いた内容が特徴です。

結論

全体を通して、『クレージーだよ奇想天外』はただのコメディー映画にとどまらず、様々なジャンルを融合させた楽しさと惹きつける内容が観る人々に新たな視点を提供してくれます。この映画は、その独特なキャラクターやストーリー展開により、今でも多くのファンに愛され続けています。

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