クロスメディアバー

クロスメディアバー（XMB）とは

クロスメディアバー（XrossMediaBar, XMB）は、ソニーが開発したユーザーインターフェースの一つです。このインターフェースは、アイコンが横方向と縦方向に配置され、それぞれカテゴリとコンテンツを表すことで、直感的で分かりやすい操作を実現しています。もともとはPSX（PlayStation X）向けに開発・採用されました。

XMBはその革新的なデザインから、2004年にグッドデザイン賞を受賞し、2007年にはPSP版XMBがエミー賞を受賞するなど、高い評価を得ています。

XMBの特徴

XMBの最大の特徴は、その操作性にあります。横軸に「ミュージック」「ビデオ」などのカテゴリが並び、縦軸には「メモリースティック」などのメディアが表示されます。ユーザーは、まずカテゴリを選択し、次にメディアを選択、そしてフォルダやファイルへと進んで目的のコンテンツにたどり着きます。

アイコンが滑らかに動き、選択されていない時は半透明になるなど、視覚的な分かりやすさも考慮されています。選択時にはアイコンがバックで柔らかく点滅するエフェクトも加えられ、操作を楽しくする工夫がされています。

XMBを搭載した製品には「ホーム」ボタンがあり、これを利用することでいつでもトップ画面に戻ることができます。DVD/BDレコーダーでは、録画予約などXMBだけでは手早く操作できない機能のために、リモコンに専用ボタンが用意されており、XMBと組み合わせて使用します。

一方、XMBのキー操作は縦と横で分かれているため、大量のコンテンツを検索する際には、縦方向にしかスクロールできないため、かえって手間がかかる場合があります。また、XMBは基本的に十字キーを搭載したハードウェアに適しており、スクロールを多用するため、マウスやタッチパネルのようなデバイスには不向きです。

初期の液晶WEGAやPSXでは、CPUに「Emotion Engine」、描画プロセッサーに「Graphics Synthesizer」が搭載されていたため、XMBの動作が非常に滑らかでした。BRAVIAのX1000シリーズ、PlayStation 3、スゴ録、BDZ-V7/V9も同様に滑らかな動作が特徴です。これらの製品では、XMB起動時に視聴中の映像が半透明になる演出もありました。

しかし、後に発売された製品では、映像の半透明表示が廃止され、動作も以前ほど滑らかではなくなりました。

XMBの終焉

前世代機でXMBを採用していたPlayStation VitaやPlayStation 4|PlayStation_4では、XMBは採用されませんでした。BRAVIAは2011年春モデルから、ブルーレイレコーダーは2016年春モデルから新しいUIに切り替わり、PlayStation 3も2017年3月に出荷完了したため、現在ではXMBはほとんどの製品から姿を消しています。

XMBが採用されていた主な製品

以下にXMBが採用されていた主な製品をまとめます。

PlayStation 3
PSX
PlayStation Portable
VAIO（専用プリインストールソフトウェアの一部）
スゴ録（PSX発売以降の機種）
ブルーレイディスクレコーダー（BDZ-V9/V7以降）
BRAVIA（一部非搭載機種あり）
WEGA（HVXシリーズ）
有機ELテレビ XEL-1
au向けソニーモバイル携帯電話（W21S等。一部非搭載機種あり）
* Windows Media Center

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