クロボウモドキ

クロボウモドキについて

概要

クロボウモドキ（学名: Monoon liukiuense）は、バンレイシ科に属する高木で、主に沖縄県の八重山諸島や台湾に分布しています。1970年代の初めに西表島で初めて発見され、1979年には新種として正式に記載されました。この植物の名称「クロボウ」は、リュウキュウガキに由来し、その樹皮や葉の形状が似ていることから名付けられています。

特徴

クロボウモドキは常緑の高木であり、樹高は約15メートルに達します。全体がほぼ無毛で、直立した幹と黒褐色の樹皮を持っています。葉は互生しており、葉柄の長さは5から10ミリメートルです。葉身は卵形や長楕円形で、革質であり、サイズは10から25センチメートル×6から10センチメートルです。葉の先端は尖っており、基部はやや変形しています。また、表面は光沢があります。

花は夏から秋にかけて葉腋に1から6個咲き、花序の柄は1から1.5センチメートル、花柄は2から3センチメートルの長さです。萼片は3枚あり、円形や三角形で、花弁は6枚、細長い披針状であり、初めは緑色ですが後に黄緑色へと変化します。
果実は枕状の楕円形で、サイズは2から2.5センチメートルの長さ、約1センチメートルの直径があります。果実は初め赤色ですが、冬から春にかけて黒色に熟成します。種子は枕形で、直径1.5から2センチメートル、長さは2から3センチメートルです。

分布

クロボウモドキは沖縄県の八重山諸島、具体的には西表島や波照間島、さらには台湾の蘭嶼に見られます。この植物は低地の石灰岩地に限られた森林内で成長しています。しかし、西表島ではダム建設や農地の造成によって生育環境が悪化しています。波照間島の御嶽林ではクロボウモドキの純林が認められますが、台風による風害も影響を及ぼしています。

保全状況評価

クロボウモドキは、環境省のレッドリストにおいて絶滅危惧IA類（CR）に指定されており、非常に危機的な状況にあります。沖縄県では絶滅危惧IB類に指定されており、そのため地方公共団体が作成したレッドデータブックにも記載されています。

分類

クロボウモドキは1973年に西表島で初めて発見され、その後の調査を経て1979年に新種として記載されました。当初、初島住彦はこの植物をPolyalthia属に分類しましたが、後に再分類され、現在はMonoon属に属しています。これは、インドネシアのジャワ島に産するMonoon lateriflorumをタイプ種とすることからの変更です。このように、クロボウモドキの学名はMonoonになり、Polyalthiaの和名はサメハダノキ属に変更されました。

脚注

クロボウモドキに関連する日本語や英語、ラテン語の文献は豊富に存在し、特に琉球大学の教授たちの研究によってその生態や生育環境が詳しく解明されています。このような議論を通して、クロボウモドキ固有の特徴や保全の重要性が広く認識されることが期待されています。

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