クワッガ・スミス

アルバータス・ステファナス "クワッガ"・スミス

南アフリカ共和国のライデンバーグ出身、1993年6月11日生まれのラグビー選手。本名はアルバータス・ステファナス・スミスですが、広く知られる愛称は「クワッガ」。このニックネームは、アフリカーンス語でかつて南アフリカに生息していたシマウマの一種「クアッガ」を指す言葉に由来しています。現在は、ジャパンラグビーリーグワンの静岡ブルーレヴズに所属し、チームの共同主将としてリーダーシップを発揮しています。また、世界のトッププレイヤーが集まる南アフリカ代表「スプリングボクス」の一員としても重要な役割を担っています。

プレースタイルと身体的特徴

主なポジションはフランカー（FL）ですが、リーグワンではナンバーエイト（No.8）としても卓越したパフォーマンスを見せており、その万能性が彼の大きな強みです。身長180cm、体重94kgという体格は、大型選手が多い現代ラグビーのフランカーとしては必ずしも大柄とは言えませんが、類稀なる運動量、激しいタックル、そして力強いボールキャリー能力によって、ピッチ上で圧倒的な存在感を放ちます。特にブレイクダウンにおけるボール争奪戦での献身的な働きや、トライに直結する決定的なプレーは、観る者を魅了します。

国際舞台でのキャリア

スミス選手は、若い頃からその才能を高く評価され、U20南アフリカ代表に選出されています。さらに、15人制だけでなく、7人制ラグビーでも才能を発揮し、2016年のリオデジャネイロオリンピックには7人制南アフリカ代表として出場。見事、銅メダル獲得に貢献しました。15人制の南アフリカ代表「スプリングボクス」としては、2023年6月時点で25キャップを獲得しており、ラグビーワールドカップ2019では優勝した南アフリカ代表スコッドの一員として世界一に輝きました。その国際的な評価は高く、ラグビー界のスター選手が集まる伝統あるバーバリアンズや、世界選抜チームにも複数回選出されるなど、ワールドクラスのフランカーとしての地位を確立しています。

日本での活躍

南アフリカ国内では、カリーカップのゴールデン・ライオンズやスーパーラグビーのライオンズで経験を積んだ後、2018年に日本のトップリーグに参戦。ヤマハ発動機ジュビロ（現在の静岡ブルーレヴズ）に加入しました。日本での公式戦デビューは、2018年9月1日に行われたジャパンラグビートップリーグのコカ・コーラレッドスパークス戦で、この試合に先発出場を果たしています。

ヤマハ発動機ジュビロがプロチーム化され、静岡ブルーレヴズとしてジャパンラグビーリーグワンに移行した後も、スミス選手はチームの中心選手として活躍を続けています。2022年9月には、奥村翔選手と共に静岡ブルーレヴズの共同キャプテンに就任し、リーダーとしてもチームを牽引しています。

受賞歴

日本での活躍は、数々の個人タイトル受賞によって裏付けられています。ジャパンラグビートップリーグ時代には、2シーズンにわたってリーグのベストフィフティーンに選出されています。

ジャパンラグビートップリーグ ベスト15: 2018-19、2020-21

ジャパンラグビーリーグワンが開幕してからも、その卓越したパフォーマンスは高く評価され続けています。特に2022シーズンと2022-23シーズンでは、フランカーやナンバーエイトとしてリーグのベストフィフティーンに選ばれました。そして、2022-23シーズンには、DIVISION 1の年間最優秀選手である「プレーヤー・オブ・ザ・シーズン」に輝き、日本ラグビー界における自身の価値を証明しました。

ジャパンラグビーリーグワン ベスト15 (No.8): 2022、2022-23
* ジャパンラグビーリーグワン プレーヤー・オブ・ザ・シーズン (DIVISION 1): 2022-23

クワッガ・スミス選手は、そのパワフルかつエネルギッシュなプレーで静岡ブルーレヴズ、そして日本ラグビーリーグワンのファンを魅了し続けています。南アフリカ代表としての実績に加え、日本でのリーダーシップと輝かしい受賞歴は、彼が現代ラグビーを代表するワールドクラスの選手であることを示しています。

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