コカ・コーラレッドスパークス

コカ・コーラレッドスパークスは、かつて日本のラグビーユニオン界に存在した社会人チームです。コカ・コーラボトラーズジャパンを母体とし、最終的にはジャパンラグビーの2部リーグに相当するトップチャレンジリーグに所属していました。長く活動を続けていましたが、2021年末をもってチームの歴史に幕を閉じました。

チームの歩み

その起源は古く、1966年に「日米コカ・コーララグビー部」として産声を上げました。1970年には会社公認のクラブとなり、正式な活動を開始。その後、母体企業の社名変更に伴い、1973年に「北九州コカ・コーララグビー部」、1999年には「コカ・コーラウエストジャパンラグビー部」と名称を変遷させていきます。1974年には西日本リーグへの参戦を果たし、地域リーグで実力を培いました。

2000年には、全国社会人大会に初めて出場。2003年にはトップキュウシュウリーグへ参入し、同年に日本選手権大会にも出場を果たすなど、全国レベルでの存在感を増していきます。2004年には元日本代表監督の向井昭吾氏が監督に就任し、チーム強化が進みました。その結果、2005年には、福岡サニックスブルースに続き九州勢として2チーム目となるトップリーグへの昇格を決めました。

2006年、持株会社体制への移行に伴いチームはコカ・コーラウエストホールディングスへ移管され、「コカ・コーラウエストレッドスパークス」として新たな愛称を採用しました。しかし、2007年には選手の不祥事により一時活動を停止するなど困難も経験します。2012年にはトップリーグで最下位となりトップキュウシュウへ降格しましたが、翌2013年にはトップチャレンジ1を制し、わずか1年でトップリーグへの復帰を果たしました。

2014年にはチーム名を現在の「コカ・コーラレッドスパークス」に改称。2018年には母体会社がコカ・コーラボトラーズジャパン株式会社となりました。このシーズン終了後の入替戦で敗れ、トップチャレンジリーグへの降格が決定しました。最終所属リーグとなったトップチャレンジリーグでは、上位争いに加わる成績を残しましたが、2021年4月30日、同年をもってラグビー部の活動を終了することが発表されました。これにより、新リーグ「ジャパンラグビーリーグワン」への参加申請も取り下げられ、チームは事実上の廃部となりました。

廃部後の展開と選手の移籍

チームの活動終了後、所属していた選手たちの動向が注目されました。選手の受け皿の一つとして、コカ・コーラの選手が中心となり、福岡県うきは市を新たな拠点とする新チーム「ルリーロ福岡」が2022年4月に結成され、トップキュウシュウAリーグに参入しました。また、同じ福岡県を本拠地とし、2022年リーグワン初年度限りでの休部が検討されていた宗像サニックスブルースへの選手受け入れも一時検討されました。サニックスブルースの休部後、一部選手はルリーロ福岡へ合流しています。

ホームグラウンドの新たな役割

かつてコカ・コーラレッドスパークスのホームグラウンドとして使用されていた「さわやかスポーツ広場」（福岡市東区）は、チーム解散後、日本のラグビーにおける重要な施設として生まれ変わりました。2022年12月に日本ラグビーフットボール協会が施設を継承。2023年3月には九州ラグビーフットボール協会の事務所が移転し、同年5月には「JAPAN BASE」として本格的な運営が開始されました。JAPAN BASEは、ラグビー日本代表（男女、ジュニア、15人制、7人制）の強化拠点としての役割に加え、地元のラグビースクールや学生・社会人チームの練習場、各種大会・試合会場としても利用されています。さらに、ラグビーの普及振興イベントやホスピタリティサービスも展開しており、コカ・コーラレッドスパークスが使用したグラウンドは、形を変えつつも日本のラグビーの発展に貢献し続けています。

主な成績

コカ・コーラレッドスパークスは、最上位リーグでの優勝経験はありませんでしたが、下位リーグでは実績を残しています。特にトップキュウシュウAでは、2003年と2012年に優勝を飾っています。

トップリーグ参戦以降は、苦しいシーズンが多く、トップキュウシュウへの降格とトップリーグへの復帰を経験しました。最終シーズンまで、トップチャレンジリーグで上位を争う力を見せていました。

長年にわたり九州、そして日本のラグビー界を支えたコカ・コーラレッドスパークスは、その歴史に幕を下ろしましたが、チームに関わった人々や、そのホームグラウンドは、今もラグビーの未来へと繋がっています。

もう一度検索