クーヨシン

クーヨシン - 福山競馬の星から繁殖牝馬へ

2009年5月31日生まれの競走馬、クーヨシン（欧字名:Ku Yeosin）。その名は、ハングル語で「駆ける女神」を意味します。彼女は福山競馬場で華々しいデビューを飾り、数々の栄光を掴むとともに、日本の地方競馬の歴史にその名を刻みました。

競走馬時代：福山を駆け抜けた女神

2歳時（2011年）の7月31日、福山競馬場でデビュー。初戦こそ2着に終わりましたが、続くレースで初勝利を挙げると、勢いに乗って4連勝を達成。そして、福山2歳優駿で重賞初制覇を飾ります。その後、園田競馬場へ遠征し兵庫ジュニアグランプリに出走するも、結果は10着。しかし、地元福山に戻るとサラ系2歳戦で2着に入り、勢いを再び取り戻します。続くヤングチャンピオンでは1番人気こそ譲りましたが、逃げの戦法で勝利を収め、重賞2勝目を獲得しました。

3歳時（2012年）には、園田クイーンセレクションで5着と健闘。その後、若駒賞と福山プリンセスカップを制し、重賞勝利数を4つに伸ばします。しかし、その後は勝ち星から遠ざかり、同年12月22日のペチカ特別での4着がその年の最後のレースとなりました。

4歳時（2013年）には、1月27日の寒月特別で福山プリンセスカップ以来となる勝利を挙げます。しかし、福山競馬場の閉場により、大井競馬場、浦和競馬場を経て川崎競馬場へ移籍。その後は高知競馬場に移籍し、福山時代から縁のあった那俄性哲也調教師の元でレースを続けました。

5歳時（2014年）には、当初A級競走に出走していましたが、4月からはC級に降級。しかし、この降級が功を奏し、4月6日の一般競走で高知移籍後初勝利を挙げます。その後もC級戦線で活躍し、1着3回、2着2回の成績を残しました。

6歳時（2015年）は、1月1日のC2級お年玉特別で7着と黒星スタートを切りますが、2月1日の松木厩舎がんばれ特別で6歳初勝利を挙げます。この年は26戦ものレースに出走し、11月14日のC1級一般競走での勝利をもって競走馬としての生涯を閉じました。引退を記念して、クーヨシンの馬主である（有）アシスタントが協賛する「クーヨシン特別」が高知競馬場で開催されたことは、彼女の偉業を称えるにふさわしい出来事でした。

繁殖牝馬時代：新たな生命の誕生

競走馬を引退したクーヨシンは、サンローゼンで繁殖牝馬となりました。初年度はマツリダゴッホと交配し、2017年5月13日に初仔を出産。そして、2021年1月25日、第2仔リオレイアが中央・地方競馬合わせて産駒初勝利を挙げました。これは、クーヨシンの新たな活躍の始まりと言えるでしょう。

クーヨシンの足跡

クーヨシンは、福山競馬という舞台で輝きを放ち、多くのファンを魅了しました。短いながらも華々しい競走生活、そして繁殖牝馬としての新たな挑戦。彼女の物語は、地方競馬の競走馬、そして繁殖牝馬としての可能性を改めて示してくれたと言えるでしょう。 その名前の通り、彼女はまさに「駆ける女神」でした。 これからも、その血を受け継いだ産駒たちが活躍してくれることを期待しましょう。

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