グアテマラ総督領

グアテマラ総督領（Capitanía General de Guatemala）

グアテマラ総督領、またはグアテマラ王国は、スペイン領アメリカ大陸の中央アメリカ地域に存在した、ヌエバ・エスパーニャ副王領の行政区画です。現在のコスタリカ、ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドル、グアテマラ、そしてメキシコのチアパス州を含む広大な領域を管轄していました。総督は、最高司法機関であるグアテマラのアウディエンシアの長官も兼務していました。

歴史

植民地化の開始

この地域の植民地化は1524年に始まりました。ペドロ・デ・アルバラードとその兄弟たちは、エルナン・コルテスらと共にグアテマラとホンジュラスへ遠征を行いました。一方、南部では、フランシスコ・エルナンデス・デ・コルドバがペドロ・アリアス・ダビラの支援を受け、現在のニカラグアへと進出しました。

首都の変遷

グアテマラの首都は、その歴史の中で数回移転しています。

イシムチェ（1524年）： ペドロ・デ・アルバラードはカクチケル族の都市イシムチェを最初の首都と宣言し、サンティアゴ・デ・ロス・カバリェロスと名付けました。しかし、スペイン人とカクチケル族の対立により、都市は放棄されました。
テクパン（1526年）： スペイン人はテクパンに新たな首都を建設しましたが、カクチケル族の攻撃により防衛が困難となり、すぐに放棄されました。
シウダー・ビエハ（1527年）： 首都はアンティグア・グアテマラに近いアルモロンガ谷に移されましたが、1541年のアグア火山の噴火による壊滅的な火山泥流で破壊されました。
アンティグア・グアテマラ（1543年）： 首都は数キロ離れたアンティグア・グアテマラに再建され、新世界で最も豊かな都市の一つとなりました。しかし、一連の壊滅的な地震により、1776年に都市を放棄することが決定されました。
* グアテマラシティ（現在）： 現在の首都はグアテマラシティです。

教会の役割

教会は、スペイン国王の海外領土の行政において重要な役割を果たしました。1534年にはレオン司教区とグアテマラ司教区が設立され、その後、チアパスにサン・クリストバル・デ・ラス・カサス司教区が設立されました。グアテマラとチアパスの司教区は、メキシコ大司教区の下に置かれるまでセビリャ大司教区の属司教でした。18世紀にはグアテマラ司教区が大司教区に昇格し、周辺の司教区を管轄下に置きました。

総督領の設立

1609年、カリブ海からの外国の脅威に対処するため、知事とアウディエンシアの長官に総督の称号が与えられ、行政上および軍事上の自治権が与えられました。これにより、この地域は正式に総督領となりました。ほぼ同時期に、スペイン・ハプスブルク家はプエルトリコ、キューバ、ユカタンにも別の総督領を設立しました。

1786年のブルボン改革では、一連のインテンダントが導入され、地域経済の促進を担当しました。新たなインテンダンシーはサン・サルバドル、シウダー・レアル、コマヤグア、レオンに置かれました。これらのインテンダンシーは地域の政治的アイデンティティを形成し、未来の中央アメリカの国々の基盤を提供しました。

独立

半島戦争中にフェルナンド7世が退位させられたことで、1811年にサン・サルバドルとレオンのインテンデンシーで独立運動が起こりましたが、すぐに鎮圧されました。1821年、中央アメリカ独立法が署名され、総督領はその機能を終えました。その後、この地域のエリートはイグアラ綱領を支持し、併合によってメキシコ帝国に加わりました。チアパスを除いて、この地域は1823年7月にメキシコから平和的に離脱し、中央アメリカ連邦共和国を建国しました。

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