グナイゼナウ (戦艦)

グナイゼナウ (Gneisenau, DKM Gneisenau)

グナイゼナウは、第一次世界大戦後の1930年代にドイツ海軍によって建造された戦艦で、シャルンホルスト級の2番艦として知られています。この艦名は、19世紀のプロイセン陸軍軍人アウグスト・フォン・グナイゼナウに由来し、彼は参謀本部の設立に寄与した人物です。

艦歴

艦の起工は1934年12月8日で、場所はキールのドイチェヴェルケ社でしたが、建造は一時中断されました。建造は1935年5月に再開され、1936年12月8日に進水、1938年5月21日に完成しました。開戦当初、グナイゼナウはドイツ艦隊の指令長官ヘルマン・ベーム大将の旗艦として活動しました。

1939年10月8日、ベーム提督の指揮の元、軽巡洋艦ケルンや複数の駆逐艦と共に出撃しましたが、英本国艦隊の動きを察知し、帰還を決定。11月21日には、シャルンホルスト、ケルン、ライプツィヒなどと共にヴィルヘルムスハーフェンを出発し、フェロー諸島沖海戦に参加しました。ここでは、シャルンホルストと共にイギリスの武装商船ラワルピンディを撃沈しました。

1940年2月には、ノルトマルク作戦に参加し、ノルウェー沖へ出撃しましたが、戦果は上げられませんでした。4月9日のナルヴィク沖海戦でもシャルンホルストと行動を共にし、その後のノルウェー沖海戦ではイギリス空母グローリアスや駆逐艦を撃沈することに成功しました。しかし、6月20日にはイギリス潜水艦からの雷撃を受け、艦は損傷を負います。

1941年からはギュンター・リュッチェンス大将の旗艦として通商破壊作戦に従事しましたが、成功に至らず、イギリスの戦艦の存在から何度も撤退を余儀なくされました。特に、1941年4月のブレストでの攻撃では、魚雷と爆弾による被害を受け、死者も出る程の損害を被りました。

1942年2月にはツェルベルス作戦に参加したものの、その後の修理中に連合軍機の爆撃を受けて艦首の弾火薬庫が爆発、大破の事態となりました。この時、艦体そのものの損傷は軽微でしたが、修理は長引き、結局1943年にはヒトラーからの大型艦廃棄命令を受けて、工事は中止されることに。

艦の主砲塔は陸上の要塞砲や海岸砲として転用されることが決定し、第一砲塔はオランダに設置され、第二・第三砲塔はノルウェーの要塞で使われることになりました。

グナイゼナウは、1945年3月28日に自沈してしまいますが、1947年には浮揚されて解体されることとなりました。その際に要塞砲として転用された砲塔など、いくつかの部品は現在でも現存しています。

艦長

グナイゼナウを指揮した艦長の中には、エーリヒ・フェルステやハラルト・ネツバント、オットー・ファインなどが名を連ねています。艦長たちはそれぞれ異なる期間に艦を指揮し、彼らのリーダーシップの下で艦は様々な戦闘に参加しました。この艦の歴史は、ドイツ海軍の一つの重要な時代を示すものです。

もう一度検索