グラッブユアハート

グラッブユアハート：レジェンドの軌跡

2000年4月30日生まれの競走馬、グラッブユアハート。その名は、数々の激戦を制し、日本の競馬史に名を刻んだ名牝の物語を物語る。ダートの女王として君臨した彼女の一生を振り返ってみよう。

デビューは2003年、京都競馬場で行われたダート1800mの新馬戦。ベガスナイトとの接戦を制し、見事勝利を収めた。続くフラワーカップでは芝のコースに苦戦し15着と大敗を喫したが、ダートに戻ると持ち前の能力を発揮。檜山特別4着、柏崎特別では6馬身差の圧勝で2勝目を挙げた。サラブレッドチャレンジカップでは3着と惜敗するも、自己条件のレースや1000万下条件のレースで勝利を収め、早くからその素質の高さを見せつけた。

4歳となった2004年、グラッブユアハートは重賞競走に挑戦。TCK女王盃では2着、エンプレス杯でも2着と、ライバル・レマーズガールとの壮絶な叩き合いを繰り広げた。この年から安藤勝己騎手が主戦騎手となり、息詰まる戦いが続いた。マリーンカップでは3着と悔しい結果に終わったものの、スパーキングレディーカップではレマーズガールを交わし、重賞初制覇を飾る。レマーズガールとの4度目の対決で、初めて勝利を掴んだ瞬間だった。しかし、府中牝馬ステークスでは14着と大敗を経験。クイーン賞ではレマーズガールに惜敗したものの、その強さを改めて見せつけた。

5歳では、TCK女王盃で5着、エンプレス杯では2着とレマーズガールとの対戦を続ける。仁川ステークスでは8着と結果を残せなかったものの、マリーンカップでは2着、スパーキングレディーカップでは3着と健闘。そして、白山大賞典では後続を突き放し、重賞2勝目を挙げた。これは牝馬による白山大賞典制覇としては史上初となる快挙だった。続くクイーン賞では10馬身差という圧勝劇で重賞3勝目を飾る。

6歳になり、TCK女王盃では圧倒的な人気に応え、逃げ切り勝ちで重賞4勝目。エンプレス杯では4着と敗れたものの、マリーンカップでは優勝し重賞5勝目を達成した。スパーキングレディーカップでは7着と初の掲示板外、マーキュリーカップでは2着、白山大賞典では4着と、レマーズガールとの対戦では苦杯を舐めることもあった。クイーン賞を最後に引退。28戦中18戦もの対戦となったレマーズガールとの死闘は、競馬史に残る名勝負として語り継がれるだろう。グラッブユアハートは、8勝を挙げたものの、レマーズガールの7勝には届かなかった。

引退後は社台ファームで繁殖牝馬となり、新たな才能を繋いでいく。2020年9月1日付で用途変更となっている。レマーズガールとの長く続いたライバル関係、そして数々の重賞勝利は、グラッブユアハートという名馬の輝かしい功績として、長く記憶されるだろう。その活躍は、多くの競馬ファンに感動と興奮を与え続けた。

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