グランプレの戦い

グランプレの戦い：ニューイングランド軍 vs フランス軍、ミクマク族、アカディア人

グランプレの戦い、またはミナスの戦いは、ジョージ王戦争中に現在のノバスコシア州グランプレで発生しました。ニューイングランド軍と、ジャン＝バティスト・ニコラ・ロック・ド・ラムザイの命を受けたニコラ・アントワーヌ・クーロン・ド・ヴィリエが率いるフランス軍、そしてミクマク族、アカディア人との間で戦われました。1747年の冬、グランプレで冬の宿営を張っていたマサチューセッツ植民地の民兵隊に対し、フランス軍が奇襲を仕掛け、完勝しました。

歴史的背景

1745年のルイブールの戦いの後、ラムザイはイギリスからアカディアを取り戻すため、ダンヴィユ公爵の遠征を支援すべくケベックからアカディアに向かいました。しかし、この遠征が失敗に終わると、ボーバサンに退きました。

ダンヴィユ公爵の遠征を脅威と感じたマサチューセッツ総督のウィリアム・シャーリーは、ニューイングランド軍大佐のアーサー・ノーブルと兵をアカディアの治安維持のために派遣しました。1746年12月初めには、チャールズ・モリス大尉率いる100人の兵がグランプレに派遣されました。モリスの軍勢は、プレブル大尉とゴルズウェイトの指揮下にある部隊、そしてゴラム・レンジャーズと合流する予定でした。1747年1月初め、ノーブルは海路で別の100人の部隊を率いてグランプレに到着しました。総勢およそ500人となったニューイングランド軍は、グランプレに駐留しました。兵士たちは当初、グランプレとその周辺の集落の民家に分宿する予定でしたが、ノーブルの命令により、グランプレから2.5マイルの範囲内にある24軒の民家に宿泊することになりました。この時、グランプレの住民たちはニューイングランド兵に、フランスのラムザイ将軍がニューイングランド軍攻撃の計画を立てていることを伝えましたが、兵士たちはそれを無視しました。フランス軍が深い雪の中を行進し、凍った川を渡って攻撃を仕掛けることは不可能だと考えたからです。

ボーバサンからの行軍

カナダのフランス軍部隊は、病人が多く出て弱体化していました。前年のノバスコシアでの活動が過酷だったためです。ラムザイも体調を崩していたため、イギリス軍攻撃の指揮はクーロン・ド・ヴィリエに委ねられました。この戦闘に従軍したチャールズ・モリスは、フランス系カナダ人とインディアンの多くがジステンパーに感染しており、これはダンヴィユ公爵遠征時の水夫や兵士の病気と関連があると述べています。

1747年1月21日、フランス軍はミナスへの3週間に及ぶ行軍を開始しました。兵士たちはかんじきを履き、そりを使ってヴェルト湾を横切り、ノーザンバーランドの海岸からタタマガッチへの道をたどってコベキド山脈を抜け、コベキド湾（現在のトゥルロ近く）へ向かい、2月2日までにシュベナカディ川に到着しました。しかし、川は凍結しており、主力部隊が渡るには危険であることが判明しました。主力部隊は川の東側を行軍し、ボワシェベールと10人の兵が先導して凍結したシュベナカディ川を渡り、川の西側に到着しました。そして2月7日にはケネトクック川へと向かい、アカディア人集落のピジキ（ウィンザー）に到着しました。その後、20マイル（約32キロ）の道を行軍したフランス軍は、イギリス軍が冬の宿営地としているガスペローに到着しました。

この行軍の間、カナダ軍はアカディア民兵やミクマク兵の援軍と合流しました。さらに、地元のアカディア人の家で分宿している時にも援助を受けました。アカディア人たちは、ニューイングランド軍の状況を教えてくれました。一方、ヴィリエは、アカディア人がイギリス軍に密告しないよう警戒し、コベキド（トゥルロ）で峠を封鎖するように命じました。

戦闘

ヴィリエが率いた兵の数は定かではありませんが、モリスの見積もりによれば、カナダ人、ミクマク族、そしてアカディア人の人数はおよそ500人でした。フランス側の資料によれば、ヴィリエはボーバサンを250人のカナダ兵と50人のミクマク族と共に出発したとされています。これらの部隊は、ミクマク兵やアカディア民兵の参加により人数が増えていました。2月10日の夜、フランス軍は吹雪の中、ニューイングランド兵が分宿している民家を奇襲しました。イギリス軍は、歩哨以外の兵は皆眠っていました。

フランスの奇襲は、直後の狭い範囲内での戦いには有効でした。しかし、戦闘が集落中に広がると、フランス系カナダ兵は湾に停泊していたスループ船をも攻撃しました。最終的にはイギリス軍が集結し、集落の中心にある石造りの家を拠点にして戦闘を続けました。翌朝に停戦の号令がかかりましたが、その日は一日中休戦状態となり、翌朝、ニューイングランド軍は条件付きの降伏をしました。モリスの報告によれば、指揮官のアーサー・ノーブルを含む67人が戦死、40人以上が捕虜、さらに40人が負傷または病気でした。モリスはフランス軍の戦死者は30人としていますが、アカディア人は後に、両軍で120人が埋葬されたと証言しています。このアカディア人の証言によると、フランス軍の戦死者は53人となります。

戦闘後の両軍

停戦後、両軍は協定に同意し、イギリス軍はアナポリスロイヤルに戻ることができました。イギリス軍は降伏条項に従い、「2列に整列して、弾を込めない銃を持ったフランス国王の軍の間を、軍礼により、太鼓の演奏と旗をなびかせて行進」しました。その後のイギリス軍の6日間に及ぶ行軍は、深く積もった雪の中、かんじきもつけずに行われたため、兵士たちは疲労困憊し、寒さもあって非常に辛いものでした。帰還後、兵士は高熱と下痢に見舞われ、150人以上が死亡しました。フランス軍はその後グランプレから退き、まずコベキド地域のノエルに捕虜と両軍の負傷者を連れて行きました。重傷を負った兵は、グランプレのアカディア人の元に残されました。捕虜の一部は春になってニューイングランド部隊へ釈放され、他の者はケベックを経由してボストンへ戻されました。しかし、この戦闘は何の役にも立ちませんでした。1747年3月には、ニューイングランド軍はグランプレに戻ってきて石造りの家に陣取り、住民たちにイギリス政府への忠誠を誓わせたからです。

この戦闘の跡地は1924年にカナダ史跡記念物委員会の指定を受け、1938年に銘板が建てられました。

多くの作家がこの戦闘を題材にした文学作品を発表しています。歴史家で詩人のメアリー・ジェーン・カッツマン・ローソンは1820年ごろに『グランプレの戦い』という詩を書き、アーチボルド・マクミーハンはこの戦闘を題材にした『レッド・スノウ・オン・グランプレ』という作品を発表しています。

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