グリーゼ876d

グリーゼ876dは、地球から約15光年離れた場所に位置する赤色矮星グリーゼ876の周りを回る惑星です。この惑星は、グリーゼ876系において内側から数えて1番目の惑星ですが、発見された順序から「d」という名称が与えられました。

物理的特徴

グリーゼ876dが注目される最大の理由は、その質量の小ささにあります。それまで発見されていた多くの系外惑星は木星ほどの質量を持つものがほとんどで、最小のものでも地球の14倍ほどの重さがありました。しかし、グリーゼ876dは、下限質量が地球の約6倍と推定されており、その主成分が岩石で構成されている可能性が高いと考えられています。このことから、グリーゼ876dは初の太陽系外における地球型惑星の発見例ではないかという指摘もあります。

しかし、グリーゼ876dは中心星に非常に近い距離をわずか2日足らずで公転しています。そのため、表面温度は数百℃に達すると考えられており、高温のため生命が存在する可能性は低いとされています。また、中心星からの強力な潮汐力により、地球の月のように自転と公転の周期が一致している可能性も指摘されています。

観測に使用された視線速度法の特性により、惑星の質量は下限値としてしかわかっていません。真の質量を求めるには、軌道傾斜角を特定する必要があります。外側を公転する惑星bとcの軌道傾斜角は、力学シミュレーションの結果から約50度と推定されており、グリーゼ876dも同じ軌道平面にあると仮定すると、その真の質量は地球の約10倍になると考えられています。

巨大地球型惑星

グリーゼ876dよりも質量の小さい系外惑星は、2010年現在、重力レンズ観測によるOGLE-2005-BLG-390Lbや、トランジット法・視線速度法で観測されたCoRoT-7bなど、数個が知られています。これらの惑星は、太陽系の地球型惑星と比較して質量が大きいため、「巨大地球型惑星（スーパー・アース）」と呼ばれています。

2006年には、太陽近傍の恒星に多くの巨大地球型惑星が存在する可能性があるという研究結果も発表されており、より質量の小さい惑星の発見に向けて観測が続けられています。

参考文献

系外惑星データベース
NASA Exoplanet Archive

関連項目

グリーゼ876
グリーゼ876c - 第2惑星
グリーゼ876b - 第3惑星
グリーゼ876e - 第4惑星
* スーパー・アース

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