CoRoT-7b

CoRoT-7bについて

CoRoT-7bは、地球から約501光[[年]]離れたいっかくじゅう座の方向に位置するG型主系列星CoRoT-7を公転する太陽系外惑星です。フランスが主導する太陽系外惑星探査プロジェクトCOROTによって2009[[年]]2月に発見が報告されました。この惑星は、半[[径]]が地球の約1.585倍と小さく、2011年にケプラー10bが発見されるまでは、最も小さい太陽系外惑星として知られていました。特筆すべきは、わずか20.4時間という非常に短い公転周期です。

発見の経緯

CoRoT-7bは、主星であるCoRoT-7の前を通過する際に、周期的に視等級がわずかに減少する現象から発見されました。この視等級の減少率から、惑星の半[[径]]を算出することができます。2007年10月から2008年3月にかけて、探査機COROTはLRa01という領域にある恒星CoRoT-7を観測しました。この観測期間中に、CoRoT-7の視等級が約1.3時間ごとに3.4×10−4だけ暗くなる現象が153回観測されました。その後、Alarm mode pipeline algorithmによってCoRoT-7からの惑星による微弱な信号が検出され、惑星の組成を明らかにするための観測が行われました。この発見は、2009[[年]]2月3[[日]]にパリで開催された「COROT Symposium 2009」で発表され、学術論文としても公表されました。

質量測定の難しさ

CoRoT-7bの発見後、地上望遠鏡による視線速度の調査で存在がほぼ確実になりましたが、主星CoRoT-7の恒星活動が活発であるため、惑星の質量測定は困難を極めました。初期の研究では、CoRoT-7bの質量は地球の約4.8倍、密度は地球に近いと推定されました。また、当時未確認であった公転周期3.7日のCoRoT-7cの影響で、CoRoT-7bに潮汐力が働き、火山活動が活発である可能性、つまりスーパーイオである可能性も指摘されました。しかし、後の研究では、質量は地球の約6.9倍、さらにその後は5.7倍というように、研究者によって異なる結果が出ています。COROTミッションチームは、視線速度のデータ解析を行い、恒星によるノイズの影響を最小限に抑えた結果、CoRoT-7bの質量は地球の7.42倍、密度は10.4 g/cm³と結論づけました。さらに研究が進められ、視線速度の観測精度が向上した結果、質量は地球の約8倍であるとされています。

スピッツァー宇宙望遠鏡による観測

CoRoT-7bは、スピッツァー宇宙望遠鏡でも観測が行われました。これにより、COROTが記録したノイズが多い視線速度データがより高精度で観測され、COROTとは異なる波長での観測によって、惑星の存在が改めて確認されました。

惑星の特徴

CoRoT-7bの質量にはまだ不確実性があるものの、地球の2倍から8倍程度と推定されています。半[[径]]は地球の1.58倍とかなり近い値が算出されています。特筆すべきは公転周期の短さで、わずか20時間29分9.7秒で主星を公転しています。主星からの距離は、太陽から水星までの距離の約23分の1と非常に近接しています。この近さは、現在発見されている地球サイズの太陽系外惑星の中で最も主星に近いことを意味します。

CoRoT-7bの表面温度は、最高で1800℃から2600℃にも達すると考えられています。この高温のため、表面は溶岩に覆われた岩石惑星であると推測されています。また、主星との強い潮汐力によって、常に同じ面を主星に向けているとされ、主星を向いている面と向いていない面とで温度差が激しく、組成も異なる可能性があります。主星に向いていない面では、温度が-200℃程度にまで下がり、約40%の確率で水蒸気として水が存在する可能性も指摘されています。さらに、CoRoT-7bは、かつて氷を主成分とする海王星のような巨大氷惑星であり、主星に近づくにつれて大気が剥ぎ取られ、中心核が露出したクトニア惑星であるという説もあります。しかし、この説に異議を唱える研究者も存在します。潮汐力の影響で、CoRoT-7bの表面では、木星の衛星イオのような火山活動が起きている可能性も指摘されています。

また、CoRoT-7bの極端な特徴を詳細にまとめた論文では、組成は地球と同じ岩石であると結論づけられました。主星に最も近い面では、白熱電球のタングステンフィラメントと同じくらいの強烈な熱と光が降り注ぎ、溶岩の海が広がっているため、大気が存在しない可能性も示唆されています。研究者はこのような特徴から、CoRoT-7bを「溶岩の海の惑星」と呼んでいます。

内部構造

CoRoT-7bの質量が不確定であるため、内部構造を正確に把握することは困難です。質量が地球の5倍と仮定した場合、中心の核は全体の15%程度と小さく、マントルに対流が生じにくいと考えられています。しかし、強い圧力によってマントルと核の境界付近にわずかな対流が生じる可能性もありますが、全体としては磁場はほとんどないと考えられています。

その他の情報

CoRoT-7c: CoRoT-7bの外側を公転する惑星で、後にその存在が確定しました。
COROT: CoRoT-7bを発見した太陽系外惑星探査衛星です。
スピッツァー宇宙望遠鏡: CoRoT-7bの観測に使用された宇宙望遠鏡です。
HARPS: CoRoT-7bの質量測定に使用された分光器です。
GJ 1214 b: CoRoT-7bと同程度のサイズの太陽系外惑星です。
ケプラー10b: CoRoT-7bと組成が似ている太陽系外惑星で、後に発見されました。

CoRoT-7bは、その特異な特徴から、太陽系外惑星の研究において重要な役割を果たしています。

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