グリーブス級駆逐艦

グリーブス級駆逐艦

グリーブス級駆逐艦は、第二次世界大戦中にアメリカ海軍が運用した駆逐艦の艦級です。本級は、大西洋での中立パトロールから、太平洋での対日本軍との戦闘まで、幅広い任務に従事しました。その特徴的な設計と、数々の戦歴について解説します。

概要

グリーブス級は、先行するベンソン級駆逐艦の設計を基に、機関の汎用化などを図った艦級です。1938年から1943年にかけて64隻が建造され、大戦中のアメリカ海軍の駆逐戦力の中核を担いました。

艦名については、ベンソン級の一部艦艇と合わせて「ベンソン/グリーブス級」と呼ばれることもあります。アメリカ海軍では、先に竣工した艦を艦級名とする慣習があり、建造時期や造船所には左右されません。

設計

グリーブス級は、ベンソン級のバブコック&ウィルコックス社設計艦を基にしています。外観上の大きな違いはありませんが、機関には汎用型のものが採用されました。船体は船首楼型で、缶と機関を交互に配置するシフト配置を採用しています。

当初の武装は、38口径5インチ単装両用砲5基、12.7mm機銃10基、21インチ5連装魚雷発射管2基10門でした。しかし、戦況の変化に伴い、対空兵装の強化が行われました。具体的には、5インチ砲を削減し、40mm機関砲や20mm機銃を増設するなどの改装が施されました。この改修により、重心が高くなるという問題点も抱えていました。

戦歴

グリーブス級は、就役と同時に中立パトロールに投入されました。1941年10月には、一番艦「ケアニー」がUボートの雷撃により損傷しています。アメリカ参戦後は、大西洋と太平洋に展開し、枢軸国陣営との戦闘に参加しました。

太平洋戦線では、対日本軍との戦闘で多くの艦が損傷・沈没しました。激戦地となったソロモン諸島周辺海域では、「グウィン」や「メレディス」などが失われました。大西洋では、「ビーティ」がドイツ空軍の空襲により戦没しています。

大戦中に10隻が戦闘や事故で失われ、戦後には演習中の事故で「ホブソン」が沈没しました。また、「エリソン」など一部の艦は、軽敷設艦や高速掃海艇に改装されました。

戦後、一部の艦は他国に供与されました。「エリソン」と「マコーム」は、海上自衛隊に供与され、それぞれ「あさかぜ」と「はたかぜ」として再就役し、日本の海上防衛に貢献しました。

同型艦

(同型艦リストは省略。原文参照)

まとめ

グリーブス級駆逐艦は、第二次世界大戦においてアメリカ海軍の主力として活躍し、戦後の海上自衛隊の礎ともなった艦級です。その設計思想と戦歴は、現代の海上戦力にも影響を与え続けています。

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