グルナッシュ・ブラン

グルナッシュ・ブラン (Grenache blanc)とは

グルナッシュ・ブランは、赤ワイン用ブドウ品種であるグルナッシュの変異種として生まれた白ワイン用のブドウ品種です。カタルーニャ地方ではガルナッチャ・ブランカとしても知られています。

主にローヌ地方のワインブレンドや、スペイン北東部で栽培されています。高いアルコール度数と低い酸味が特徴で、柑橘類やハーブのような香りを持っています。

生育が旺盛なため、収量が多くなりすぎ、品質が低下しやすい傾向があります。しかし、収量を適切に管理すれば、特にルーサンヌとブレンドすることで、ワインに風味と奥行きを与えることができます。

1980年代以降、フランスではユニ・ブラン、シャルドネ、セミヨン、ソーヴィニヨン・ブランに次いで、5番目に多く栽培されている白ワイン用ブドウ品種となっています。

歴史

グルナッシュ・ブランは、スペインのグルナッシュが突然変異を起こして生まれたと考えられています。その後、ピレネー山脈を越えてフランスに伝わり、ローヌ地方で広く栽培されるようになりました。

ワイン生産地域

フランス

ローヌ渓谷はグルナッシュ・ブランの重要な産地であり、ルーサンヌとブレンドされることが多いです。赤ワインのブレンド品種としても使用されます。シャトーヌフ＝デュ＝パプとコート・デュ・ローヌAOCの白ワインの主要な構成要素です。コート・デュ・ローヌAOCの赤ワインには、最大10％までグルナッシュ・ブランを添加することが認められています。リヴザルトAOCでは、酒精強化ワインであるヴァン・ドゥ・ナチュレのブレンド用ブドウとして使用されています。フランスのグルナッシュ・ブランの栽培面積の約半分はルシヨン地方にあり、ルーサンヌ、マルサンヌ、ヴィオニエ、ヴェルメンティーノなどとブレンドされることが多いです。アグリー渓谷の上流地域では、この品種のテロワールを活かした栽培が行われています。シャトーヌフ＝デュ＝パプの白ワインでは、グルナッシュ・ブランはルーサンヌ、ピクプール、ブールブラン、クレレット・ブランシュなどとブレンドされ、ワインに果実味と豊かさを与えます。

その他のヨーロッパ地域

スペインでは、主にピレネー山脈沿いのワイン産地、特にカタルーニャ地方のナバーラやテーラ・アルタなどで見られます。プリオラート、アレーリャ、アラゴンなどでも広く栽培されています。リオハの白ワインでも使用が認められていますが、酸化しやすい性質のため、広くは使用されていません。

ニューワールド

オーストラリアでは、「ホワイト・グルナッシュ」として知られるブドウ品種が栽培されています。これは、1976年にブドウ品種学者のポール・トゥルエルによって、ビアンコ・ディ・ポルトフェッラーイオであると同定されました。

ワインの醸造

グルナッシュ・ブランは、発酵温度を低く保つことで、フレッシュでキャラウェイのような香りを持つ高品質なワインを生み出します。このブドウ品種は醸造の自由度が高く、マロラクティック発酵 (FML)、 extended skin maceration (マセレーション)、澱との接触、オーク樽熟成など、様々な手法を用いることができます。ルーサンヌとのブレンドに加えて、マスカットとブレンドして多様なスタイルのワインが造られています。

別名

グルナッシュ・ブランは、以下の別名で呼ばれることもあります。

Alicante blanca
Belan
Feher Grenache
Garnacha blanca (スペイン語)
Garnatxa blanca (カタルーニャ語)
Vernatxa blanca (カタルーニャのテール・ド・レブル)
Rool Grenache
Silla blanc
Sillina blanc
White Grenache

単に「Grenache」または「Garnacha」と表記されている場合は、ほとんどの場合、赤ワイン用のグルナッシュを指します。

関連項目

ブドウ品種の一覧
ブドウ
* ワイン用ブドウ品種の一覧

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