グループGT3

グループGT3について

グループGT3（グループジーティースリー）は、自動車レース用の競技車両カテゴリーのひとつで、2005年に設立されました。このカテゴリーは、当時のGT1およびGT2クラスの下位に位置づけられており、正式な呼称は「Groupe GT3」です。しかし、日本国内では一般に「GT3」または「FIA GT」として知られています。

概要

グループGT3は、FIA（国際自動車連盟）により公式に策定され、SROモータースポーツグループがプロデュースしています。このカテゴリーは、FIA車両規定のカテゴリIIに位置し、市販の2シーターまたは2x2シーターのクーペを改造した車両がホモロゲーション（公認）の対象となっています。当初はアマチュア向けに、さらにワンメイクレースとGT2の中間に位置づけられることが予測されていましたが、2012年にはGTレースの主力カテゴリーに成長しました。

GT3カテゴリーの特徴は、開発された「バランス・オブ・パフォーマンス（BOP）」システムです。この仕組みは、各車両の性能を調整し、競争のバランスを保つことを目的としています。IMSA（国際モータースポーツ協会）は、独自にBOPに必要な風洞試験やエンジンテストを行っています。

現在、世界中で様々なスポーツカーイベントにおいてGT3マシンが導入され、注目を集めています。特にニュルブルクリンク24時間レースやスパ・フランコルシャン24時間、デイトナ24時間、鈴鹿1000kmなどの耐久レースでは、GT3車両が急成長を見せており、2024年にはFIA世界耐久選手権（WEC）にもLMGT3クラスとして参戦が可能になることが発表されています。

日本でもSUPER GTのGT300クラスやスーパー耐久のST-XクラスでGT3車両の導入が許可されており、特に鈴鹿1000kmレースが新たにGT3及びJAF-GTマシンで競われる「鈴鹿10時間」に生まれ変わったことが有名です。

レースの序列

GT3レースの重要性は、マカオGPのGT3レースであるFIA GTワールドカップを頂点に、スパ24時間やセパン12時間、鈴鹿10時間などが続きます。また、これらのイベントでは公式のワークスチームが参加することが求められています。

ただし、近年はマシンのプロトタイプ化が進んでおり、新しいホモロゲーションを取得した車両には、新たな要件が課されています。2018年3月には、12ヶ月以内に10台、24ヶ月以内に20台の販売が求められることになりました。

沿革

グループGT3は2005年に設立され、以降も着実に成長を遂げてきました。2009年にはニュルブルクリンク24時間レースに初出場し、GT2勢を打ち破って注目を浴びています。2012年には、グループGT1の消滅に伴いFIA GT1世界選手権をGT3車両で開催し、アウディR8 LMSが優勝を果たしました。2016年にはインターコンチネンタルGTチャレンジ（IGTC）が始まり、2018年には鈴鹿での10時間レースがIGTCの一環として開催されるようになりました。

レギュレーション

GT3のレギュレーションは、もともとカスタマー向けに特化した性能調整が前提になっています。これにより、比較的多くの自由度が与えられており、ただしプロトタイプ車両の参戦を防ぐために市販車が200台以上生産されなければホモロゲーションは認められません。マシン価格は初期の約3000万円から、ワークス競争の激化により現在は約5000万〜8000万円にまで上昇しています。このため、プライベーターたちは、より安価なTCRやGT4、LMP2への移行を検討するようになっています。

掛け持ち参戦問題

南アフリカなど、多数のレースシリーズでGT3マシンが使われているため、ドライバーが一台のマシンを複数のレースシリーズで使い回すことは一般的です。しかし、この状況はレース主催者に問題を引き起こすことがあります。これにより、他のチームが同じマシンのデータを利用して優位に立つことができるため、日本のSUPER GT・GT300クラスではスケジュールの掛け持ちが原則禁止されています。

このように、グループGT3は現在のモータースポーツ界で非常に重要なカテゴリーとなっており、ますます多様化・進化しているといえます。

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