グレート・アメリカン・バッシュ

ザ・グレート・アメリカン・バッシュ：プロレス史に輝く夏の祭典

「ザ・グレート・アメリカン・バッシュ（The Great American Bash）」は、アメリカ合衆国のプロレス界において、長年にわたり開催されてきた歴史的なプロレス興行、そしてPPVイベントの名称です。

その起源は1985年、NWA（ジム・クロケット・プロモーションズ）による興行にまで遡ります。当時から夏の恒例イベントとして人気を博し、1991年にはWCW（World Championship Wrestling）が引き継ぎ、2000年まで開催されました。WCWの崩壊後、一時的に幕を閉じますが、2004年にWWEのスマックダウンのイベントとして見事に復活を遂げます。2009年にはPPVの名称が「ザ・バッシュ（The Bash）」に変更されましたが、2012年にはスマックダウンの通常放送のサブタイトルとして再び「ザ・グレート・アメリカン・バッシュ」が使用されました。そして現在、NXTのプレミアムライブイベント（PLE）として、その伝統を受け継いでいます。

大会を彩った名勝負の数々

長きにわたる歴史の中で、「ザ・グレート・アメリカン・バッシュ」では数多くの名勝負が繰り広げられてきました。初期のNWA時代には、リック・フレアー、ダスティ・ローデス、マグナムTAといったレジェンドたちが、NWA世界ヘビー級王座を巡る激闘を繰り広げました。特に1986年には全米13都市を巡回する大規模なイベントとなり、数々の名勝負が誕生しました。1985年7月16日、ノースカロライナ州シャーロットのアメリカン・リージョン・メモリアル・スタジアムで開催された第1回大会では、リック・フレアーがNWA世界ヘビー級王座を防衛、ダスティ・ローデスがNWA世界TV王座に挑戦するなど、豪華なカードが組まれました。ドッグカラーマッチやスチールケージマッチといった、過酷な試合形式も採用され、観客を熱狂の渦に巻き込みました。

WWEが主催するようになってからは、ジョン・シナ、バティスタ、アンダーテイカー、レイ・ミステリオといったWWEを代表するスーパースターたちが、WWE王座や世界ヘビー級王座を懸けた死闘を繰り広げました。また、テキサス・ブルロープ・マッチやプンジャビ・プリズン・マッチといった、WWE独自の過酷な試合形式も採用され、興行を盛り上げました。さらに、ブラ＆パンティ・マッチといった、女性レスラーをフィーチャーした試合も行われ、話題を呼びました。

2004年以降の大会では、各年の開催場所、観客動員数、そして主な試合結果は以下の通りです。

2004年（バージニア州ノーフォーク）： エディ・ゲレロとジョン・ブラッドショー・レイフィールドによるWWE王座をかけたテキサス・ブルロープ・マッチが注目を集めました。
2005年（ニューヨーク州バッファロー）： バティスタとジョン・ブラッドショー・レイフィールドによる世界ヘビー級王座戦では、バティスタの反則負けにより王座移動はなりませんでした。
2006年（インディアナ州インディアナポリス）： アンダーテイカーとビッグ・ショーによるプンジャビ・プリズン・マッチは、会場の熱気を最高潮に高めました。
2007年（カリフォルニア州サンノゼ）： ジョン・シナとボビー・ラシュリーによるWWE王座戦、グレート・カリ、バティスタ、ケインによる世界ヘビー級王座戦など、豪華なカードが組まれました。
* 2008年（ニューヨーク州ユニオンデール）： トリプルHとエッジによるWWE王座戦、CMパンクとバティスタによる世界ヘビー級王座戦などが開催されました。

2020年には12年ぶりに開催され、NXTを中心としたイベントとして復活しました。

継承された伝統と新たな未来

「ザ・グレート・アメリカン・バッシュ」は、NWA、WCW、そしてWWEと、時代を超えて受け継がれてきた歴史と伝統を持つプロレス興行です。数々の名勝負、そして個性豊かなレスラーたちが彩ってきたその歴史は、これからも語り継がれていくでしょう。NXTでの開催を機に、新たな時代を迎えつつある「ザ・グレート・アメリカン・バッシュ」の今後の展開にも、期待が高まります。

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