グロスター グラディエーター

グロスター グラディエーターについて

グロスター グラディエーター（Gloster Gladiator）は、イギリスのグロスター社によって製造された複葉戦闘機です。この機体は、第二次世界大戦の初期においても現役で用いられ、特に艦上型のシーグラディエーターも存在しました。名称の「グラディエーター」は、剣闘士を意味し、戦闘機としての強さを象徴しています。

機体の概要

この戦闘機は1930年にイギリス空軍からの仕様書F.7/30に基づいて開発されました。要件には、高速性と強力な武装の搭載が求められ、具体的には蒸気冷却式のロールス・ロイス ゴスホークエンジンの使用が推奨されていました。しかし、グロスター社は自社製のゴーントレットを基にした空冷式エンジンを採用し、主任設計士H.P.フォーランドのもとに設計が進められました。最初の試作機は1934年に飛行し、その結果は驚異的で、最大速度389km/hを記録しました。その後、1935年に制式採用が決まり、1937年から部隊配備が始まりました。

当時、同世代の日本の九五式艦上戦闘機や、ドイツのAr 68、アメリカのF3Fなども存在しましたが、グラディエーターが初飛行したころには、既にホーカー ハリケーンやスーパーマリン スピットファイアの生産が始まっており、古い設計とされる中で生産数は1940年までに744機に留まりました。

戦歴と運用

第二次世界大戦の開戦後、グラディエーターはフランス、ノルウェー、フィンランドなどの戦場で活躍しましたが、近代化されたドイツの戦闘機に対して不利で、多くの損失を被りました。特にフランスでは早急に撤退することとなり、北アフリカやマルタ島防衛戦では一定の戦果を挙げました。特にマルタでは、限られた数のグラディエーターが防 air defenseを行い、いくつかの敵機を撃墜しました。1941年にはほとんどの部隊で新しい機種に置き換えられるものの、北アフリカ方面では少数が1942年以降も運用されています。

また、1938年には中華民国に36機が提供され、対日本軍との戦闘に用いられたものの、性能の差から短期間で退役しました。

シーグラディエーター

グラディエーターは、艦上戦闘機化の計画の一環で、1938年にはシーグラディエーターとして艦上機の運用が始まりました。この機体は、陸上型と比較して主に着艦フックやカタパルト射出装置、救命筏を装備している点が異なります。1940年まで運用されましたが、最終的にはグラマン マートレットに交代しました。

スペック

グラディエーター Mk.IIは、次のような仕様を持っていました。

• - 乗員: 1名
• - 全長: 8.4 m
• - 全高: 3.2 m
• - 翼幅: 9.8 m
• - 空虚重量: 1,560 kg
• - 最大離陸重量: 2,206 kg
• - 動力: ブリストル マーキュリー VIIIA 9気筒空冷星型エンジン（830 hp）
• - 最大速度: 414 km/h
• - 航続距離: 710 km
• - 武装: 4 × 7.7 mm ブローニング機関銃

まとめ

グロスター グラディエーターは、航空史において重要な役割を果たした機体の一つです。数々の試練を乗り越え、戦闘機としての基礎を築き上げたその姿は、多くの航空ファンや歴史愛好者にとって魅力的な存在です。

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