グローズヌイ (駆逐艦・2代)

グローズヌイは、1930年代後半にソ連海軍で建造されたグネフヌイ級駆逐艦であり、その艦名はロシア語で「恐ろしい」を意味します。この駆逐艦は、1935年12月21日にレニングラードの造船所190号で起工され、1936年7月31日に進水、1938年12月9日に就役しました。

就役後、グローズヌイはまずバルチック艦隊に配属されました。しかし、1939年5月には白海・バルト海運河を経由して北方艦隊へと転属しました。フィンランドとの冬戦争中には、同型艦のグロームキイと共にペツァモ沖への機雷敷設作戦に参加しました。その後、グローズヌイは1941年6月8日まで修理期間に入りました。

第二次世界大戦が勃発すると、グローズヌイは第1駆逐艦隊に所属し、1941年7月23日から24日にかけて、同型艦ソクルシーテリヌイや機雷敷設艦カニンと共に白海入り口に機雷を敷設しました。その後もカンダラクシャ湾への機雷敷設作戦に参加しています。8月中旬には、カレリア沿岸を航行する船団の護衛を行い、8月下旬にはソクルシーテリヌイと共にスピッツベルゲン島からの避難民をアルハンゲリスクまで護送しました。さらに、イギリスからの最初の護送船団の護衛も担当しました。

1941年9月10日から15日にかけて、グローズヌイと第1駆逐艦隊は、イギリスの機雷敷設艦アドヴェンチャーから提供された機雷を用いて、ルイバチー半島沖に2つの機雷原を敷設しました。10月24日から11月上旬にかけては、ザーパドナヤ・リッツァ川付近のドイツ軍基地に対して130mm砲による砲撃を行いました。12月17日には、ソクルシーテリヌイと共にイギリスの重巡洋艦ケントを護衛し、ドイツの第8駆逐艦隊の迎撃を試みましたが、これは失敗に終わりました。

1942年1月に改装を終えた後、グロームキイと共に軽巡洋艦ナイジェリアを護衛し、2月20日にはPQ11船団と合流しましたが、荒天のため帰港を余儀なくされました。3月5日には、燃料切れとなったグロームキイを救助するために航行し、115トンの燃料を補給しましたが、3月7日に座礁し、スクリューと舵を損傷しました。修理は3月23日に始まり、5月8日まで続きました。修理完了後は、複数の護送船団の護衛任務に従事しました。

1943年3月27日から28日、および30日から31日にかけては、バクーおよびグロームキイと共にノルウェー沿岸でドイツ軍の補給艦を迎え撃つ作戦に参加しましたが、これも失敗に終わりました。その後、RA54船団、JW55A船団、JW56A船団、JW56B船団、RA56船団、RA59船団など、数多くの護送船団を護衛しました。1945年3月6日には、その戦功が認められ、赤旗勲章を受章しました。

戦後、1948年6月26日にグローズヌイはバルチック艦隊に復帰しました。その後、1956年8月21日まで長期にわたる近代化改修を受けました。1958年4月19日には標的艦に指定され、TsL-74と改名されました。そして、1960年9月15日にスクラップとして処分され、その生涯を終えました。

グローズヌイは、第二次世界大戦中に数々の海戦に参加し、その勇猛な戦いぶりから、その艦名に相応しい活躍を見せました。

もう一度検索