ケイティーズ

ケイティーズ：競走馬から繁殖牝馬へ至る波瀾万丈な生涯

ケイティーズ (Katies、1981年4月22日 - 2004年8月20日) は、アイルランド出身の競走馬です。1984年のアイリッシュ1000ギニー優勝という輝かしい実績を持ち、引退後は繁殖牝馬として、数々の名馬を世に送り出しました。その生涯は、競走馬としての成功、そして繁殖牝馬としての偉業、そしてその背景にある様々な出来事を含め、競馬史に名を刻むにふさわしいドラマチックなものでした。

競走馬時代の活躍

1983年、ケイティーズは競売で比較的安価に落札され、デビュー。初勝利を収めた後、プリンセスエリザベスステークスで3着と好成績を収め、注目を集めます。その後、高額で取引され、新たなオーナーのもとでアイリッシュ1000ギニーに挑戦します。オッズ20対1という低評価を覆し、見事優勝。G1競走初勝利という快挙を達成しました。続くコロネーションステークスでは、イギリスの1000ギニー優勝馬ペブルスを相手に接戦を制し、勝利を収めました。しかしその後は、チャイルドステークスで2着、クイーンエリザベス2世ステークスでも2着と惜敗。繁殖牝馬セールに出品されましたが、買い手がつかず、現役を続けるも、その後は出走することなく引退することとなりました。

繁殖牝馬としての成功

1985年、ケイティーズは繁殖牝馬としてのキャリアをスタート。イギリスで繁殖生活を送った後、アメリカへ渡り、数頭の産駒を産みました。その後、日本の阿部雅一郎氏に高額で落札され、日本との関わりが始まります。阿部氏の所有下では、アメリカで繁殖を行い、産駒は日本へ送られるという形がとられました。

その産駒たちは、日本競馬界に大きな足跡を残します。中でも特に有名なのはヒシアマゾンです。ヒシアマゾンはGI競走である阪神3歳牝馬ステークスとエリザベス女王杯を制覇するなど、9つの重賞タイトルを獲得しました。さらに、ヒシナイル、ヒシピナクルも重賞競走で勝利を収め、ケイティーズの繁殖能力の高さを証明しました。

初仔ケイティーズファーストは、2007年の年度代表馬アドマイヤムーンと2021年の皐月賞馬エフフォーリアの祖母となり、3番仔ホワットケイティーディドは2008年の最優秀短距離馬スリープレスナイトの母となるなど、その血統は現代競馬にも大きな影響を与え続けています。

ケイティーズの晩年

長きにわたる繁殖生活の後、ケイティーズは2004年、23歳でこの世を去りました。その偉大な功績は、産駒たちの活躍を通して、これからも語り継がれていくことでしょう。

血統背景

ケイティーズ自身も、優れた血統背景を持っていました。半弟には種牡馬のミルフォンティーヌ、伯父には重賞3勝馬ポリフォトがおり、その遺伝子が彼女の才能を支えたと言えるでしょう。また、その牝系は、イギリスやオーストラリアなどでも活躍した馬を輩出する名門一族であり、ケイティーズの成功は血統の賜物でもあると言えるでしょう。ケイティーズの生涯は、競走馬としての輝かしい実績と繁殖牝馬としての偉大な功績、そしてその背景にある血統の力、そして日本競馬との関わりという様々な要素が複雑に絡み合った、非常に興味深い物語です。

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