ケネス・アーノルド

ケネス・アルバート・アーノルドの生涯

ケネス・アルバート・アーノルド（1915年3月29日 - 1984年1月16日）は、アメリカの実業家であり、1947年のUFOの目撃者として広く知られています。彼はその目撃により、一夜にして有名人となり、以降はUFOの調査や公開講演、執筆活動に従事しました。1962年にはアイダホ州の副知事選挙に立候補するなど、政治にも関与しました。

アーノルドはミネソタ州セベッカで生まれ、モンタナ州スコビーで成長しました。彼は高校時代にイーグルスカウトに選ばれ、フットボールの州代表にも名を連ねました。1934年にミネソタ大学に入学し、家族はルーテル教会の信者でした。1938年、アーノルドは火災保護装置メーカーのレッド・コメットに就職し、翌年には地域マネージャーに昇進。その後、1940年にアイダホ州ボイシで自らの消火システム事業を立ち上げます。1941年にはドリス・ローと結婚し、4人の娘をもうけました。

UFO目撃事件

1947年6月24日、アーノルドはワシントン州のレーニア山近くを自家用飛行機で飛行中、9機の光る未確認飛行物体を目撃しました。彼は、これらの物体が時速1200マイル（約2000キロメートル）で飛行していると主張しました。この目撃談は、アメリカ全土で最初の大々的なUFO報告として位置付けられています。アーノルドはその物体の飛行を「ソーサーが水面を跳ねながら飛ぶようだった」と表現し、この言葉がマスコミで「空飛ぶ円盤」として広まりました。

アーノルドの目撃をきっかけに、彼の元には1万通もの手紙が届き、問い合わせの電話が鳴りやみませんでした。彼はすぐさまUFOに関する調査や執筆を始めました。彼の事件は、他の多くのUFOの目撃報告を引き起こすきっかけともなりました。

モーリー島事件の調査

同年、アーノルドはSF雑誌『アメージング・ストーリーズ』の編集長、レイモンド・A・パーマーから、モーリー島で未確認飛行物体の破片を見つけたという二人の港湾労働者の話の調査を依頼されます。アーノルドが労働者に接触すると、その一人は飛行物体から噴出したという新聞紙のような物体について話しました。アーノルドはその話に疑念を抱きつつも、空軍に連絡し、調査を行うことになりました。

しかし、後にこの調査は悲劇的な結果をもたらします。空軍のB-25が墜落し、乗員が死亡する事態が発生したのです。これによってモーリー島事件は「デマ」であるとの見解が後に示されました。

著作活動と晩年

報道によれば、アーノルドはその後も7回のUFO目撃を主張しました。彼はそのほかにも、様々な執筆活動を行い、1948年春には、アーノルド自身の目撃談に基づいた記事を発表しました。これにより彼はUFO研究の先駆者としての地位を確立しました。

1962年にはアイダホ州副知事選挙に出馬しましたが、落選しています。その後も彼は政治活動を続け、1964年には共和党のバリー・ゴールドウォーターの選挙キャンペーンに参加しました。

アーノルドは1984年1月16日に、ワシントン州の病院で大腸癌により他界しました。彼は64歳で、UFO研究および報道において重要な役割を果たした人物として記憶されています。

もう一度検索