ケネディ宇宙センター第39発射施設

ケネディ宇宙センター第39発射施設

ケネディ宇宙センター第39発射施設（LC-39）は、アメリカのフロリダ州メリット島に位置する歴史的なロケット発射場です。この発射施設は、アポロ計画に関連した歴史的背景を持つ一大センターで、後にはスペースシャトル計画のために改修されました。2023年現在、39A発射台はスペースXのファルコン9とファルコンヘビーの打ち上げに、39B発射台はNASAのスペース・ローンチ・システム（SLS）の打ち上げに使用されています。また、39C発射台は2015年に完成しましたが、現時点ではまだ使用されていません。

LC-39施設には、3基の発射台（39A、39B、39C）をはじめ、ビークル組立棟（VAB）、発射プラットフォームを運搬するためのクローラーウェイ、オービタ整備施設（OPF）、打ち上げ管制センターなど、多くの重要なインフラが存在します。これらの施設は、宇宙ミッションを支えるために緊密に連携し、運用されています。

歴史的背景

LC-39の歴史は1890年代に遡ります。この場所は最初、ハーバード大学卒の資産家たちによって購入され、クラブハウスが建設されました。1948年、アメリカ海軍はこの地域をミサイルテストのために活用し、1950年には空軍へと移管されました。その後、NASAが設立され、1960年代にはアポロ計画のための発射台整備が進められました。

1963年には設計が具体化され、39A、39B、39Cの発射台が計画されましたが、完全に実現したのは39Aと39Bの2基のみでした。1967年、初の打ち上げが行われ、アポロ計画の月ミッションの一環としてサターンVロケットが発射されました。その後、NASAはこれらの発射台を使い、スカイラブ計画やアポロ・ソユーズテスト計画の打ち上げを成功させました。

主な機能と構造

LC-39は、発射台の近くに音響抑制システムを設けることで、発射時の騒音や衝撃波からシャトルを保護しています。また、緊急避難システムも整備されており、発射中に事故が発生した際には迅速に乗組員が避難できるようになっています。

発射台における宇宙機の組み立ても重要なプロセスです。シャトルがコンポーネントとして運ばれ、クローラ・トランスポータで発射台まで運ばれた後、発射準備が整います。水を利用した音響抑制システムは、発射時の音波を軽減するため、巨大な水タンクから水を放出することで衝撃を和らげています。

現在と将来

2011年のスペースシャトルの運用終了後、LC-39の利用に関しては不透明な期間が続きましたが、2014年にスペースXにリースされ、ファルコン9とファルコンヘビーの打ち上げが行われています。LC-39BはNASAのSLSの発射台となり、今後の宇宙ミッションで活躍が期待されています。

新設の39C発射台は、軽量級ロケットに対応するために設計されており、商業宇宙活動の拡張に寄与しています。将来的には、さまざまな企業による宇宙ミッションの打ち上げがこの発射施設から行われることになるでしょう。

このように、ケネディ宇宙センター第39発射施設は、全世界の宇宙開発を牽引する重要な拠点として今後もその役割を果たしていくことが期待されます。

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