ケミ川 (フィンランド)

ケミ川（フィンランド語: Kemijoki）は、フィンランド北部のラップランド地方を雄大に流れる、全長約550キロメートルに及ぶフィンランド最長の河川です。その源流は、ラッピ州北東部のサヴコスキに位置し、Naltiohaara川、Keskihaara川、Kemihaara川の3つの川が合流することによって生まれます。

ケミ川の流路と支流

ケミ川は、サヴコスキを起点として、数多くの支流を吸収しながらラッピ州を南西方向へと流れていきます。主要な合流地点としては、以下の場所が挙げられます。

サヴコスキ: Tenniönjoki川が合流
ペルコセンニエミ: Vuotos川、Luiro川と合流した直後のKikin川が合流
ケミヤルヴィ: ケミヤルヴィ湖からの川が合流
ロヴァニエミ: ケミ川最大の支流であるオーナス川（Ounasjoki）が合流

ラッピ州最大の都市であるロヴァニエミでは、特にオーナス川との合流がケミ川の流量を大きく増加させます。そして、ケミ川はボスニア湾に面した港湾都市ケミへと到達し、バルト海へと注ぎ込みます。河口付近では川幅が広がり、まるで湖のような景観を呈します。

広大な流域面積

ケミ川の流域面積は51,127平方キロメートルに及び、フィンランド領ラップランドの大部分をカバーしています。さらに、流域の一部はノルウェー領やロシア領にも広がっており、国際的な河川としての側面も持ち合わせています。

水力発電と環境への影響

ケミ川は、水力発電の重要な資源として利用されています。最初の水力発電所は、第二次世界大戦後の1946年にIsohaaraに建設され、1948年に操業を開始しました。その後、現在までに18ヶ所の水力発電所が建設されています。これらの発電所のうち16ヶ所はKemijoki Oy社が、残りはPohjolan Voima Oy社が所有しており、2003年時点での総発電量は4.3 TWhに達し、フィンランド全体の水力発電量の34.5%を占めています。

しかし、水力発電のためのダム建設は、ケミ川の生態系に大きな影響を与えています。ダム建設以前はサケなどの魚類が豊富に生息していましたが、ダムによって遡上が阻害され、個体数が減少しました。水力発電は重要なエネルギー源である一方、環境への配慮も重要な課題となっています。

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