ケーニッヒウルフ

ケーニッヒウルフ

ケーニッヒウルフは、玩具メーカー・トミー（現タカラトミー）が展開する『ゾイド』シリーズに登場する、ヘリック共和国軍所属のオオカミ型ゾイドです。「王狼」の名にふさわしい精悍な外見と、高い戦闘能力を持つ機体として人気を博しています。

開発の背景

ケーニッヒウルフは、西方大陸戦争において旧式化しつつあったコマンドウルフの後継機として開発されました。当初はシャドーフォックスも候補に挙がりましたが、ベースとなる野生体の個体数が少ないことから量産には不向きでした。また、ライガーゼロ奪取後にコマンドウルフへのCAS転用計画も立ち上がりましたが、機体完成度の高さから拡張システムの導入が難航。そこで、西方大陸で発見された巨大オオカミ型野生体をベースに、ケーニッヒウルフの開発がスタートしました。

ライガーゼロは高性能ながら、野生体確保の難しさからコスト高という問題を抱えていました。ケーニッヒウルフは、その代替となる量産機として期待され、CASこそオミットされたものの、野生体本来の生命力を尊重した機体構成により、ライガーゼロに匹敵するパワーと機動力を獲得。共和国の高速ゾイドの中でも、シャドーフォックスに次ぐステルス性能を持つと評価されています。

機体構造と武装

暗黒大陸侵攻作戦の繰り上げにより、基本構造やコンバットシステムはコマンドウルフから流用されました。しかし、その結果、余剰パワーが機体の異常加熱を引き起こすという問題が発生。冷却ファンを背部に装着することで、この問題は解決されました。基本構造やシステムを見直し、本来の巨体に合わせた再設計を行えば、さらなる性能向上が期待できるとされています。

ケーニッヒウルフの主な武装は以下の通りです。

エレクトロンバイトファング: 口部に装備された電磁波の牙。敵の装甲を噛砕し、内部回路をも破壊します。全電磁エネルギーを集中して敵を噛み砕く必殺技「エレクトリックファンガー」は強力ですが、オーバーヒートの危険性があるため多用はできません。
エレクトロンストライククロー: 四肢に装備された電磁波の爪。ノーマル状態での主兵装です。
ヘッドギア: 頭部に装備された展開式のヘッドギア。コクピットの安全性を高めるとともに、暗視カメラや赤外線スコープなどの最新鋭装備を内蔵。光学迷彩機を捕捉できることから「ステルスキラー」の異名を持ちます。
2連装マルチディスチャージャー: 腰部に装備されており、敵のレーダー機能を攪乱するための煙幕やチャフを射出します。

キットバリエーション

ケーニッヒウルフは、様々なキットバリエーションが存在します。

RZ-053 ケーニッヒウルフ: トミーから発売されたオリジナル版。単四電池2本で駆動し、特徴的な歩行ギミックを再現しています。
ヘビーアームズケーニッヒウルフ: 成型色を青に変更し、デュアルスナイパーライフルとAZ5連装ミサイルポッドを同梱した限定版です。
ケーニッヒウルフMk-II: 成型色をメタリックカラーの銅色に変更し、デュアルスナイパーライフル、AZ5連装ミサイルポッド、新規シールを同梱したキットです。
HMM（ハイエンドマスターモデル）シリーズ: コトブキヤから発売されているハイクオリティモデル。可動範囲が広く、様々なポージングが可能です。

バリエーション機

ケーニッヒウルフには、武装やカラーリングが異なる様々なバリエーション機が存在します。

アサルトケーニッヒウルフ: デュアルスナイパーライフルとAZ5連装ミサイルポッドを装備した形態。精密射撃能力が向上しています。
ヘビーアームズケーニッヒウルフ: アサルトケーニッヒウルフと同様の装備に加え、カラーリングが青に変更された機体。夜間戦闘を想定しています。
ケーニッヒウルフMk-II: 格闘能力に加え、砲撃戦にも対応させた機体。アニメ『ゾイドフューザーズ』や『ゾイドジェネシス』にも登場しました。
ファイヤーヴォルフ: ゲーム「サイバードライブゾイド 機獣の戦士ヒュウ」に登場する、赤色のケーニッヒウルフです。
* その他: アーマードウルフ、ニンジャウルフ、コマンドウルフMk=II、パワードウルフ、アトロシャスウルフ、プロトウルフ(ウエスト)、ラビドリーウルフ、プロトケーニッヒウルフ、ケーニッヒウルフ〈銀牙〉など、様々な改造機や没デザインが存在します。

ケーニッヒウルフは、その洗練されたデザインと高い戦闘能力で、多くのファンを魅了し続けています。様々なバリエーション機や関連商品も展開されており、ゾイドシリーズを代表する人気機体の一つです。

もう一度検索