ヘリック共和国

ヘリック共和国（Herlic Republic）

ヘリック共和国は、タカラトミー（旧トミー）の玩具シリーズ「ゾイド」に登場する架空の国家です。惑星Zi（ジ）に位置し、中央大陸を主な領土としています。

概要

ヘリック共和国は、ゾイドシリーズの初期（1983～1990年）から登場し、その後のシリーズ（1999～2006年）でも重要な役割を担っています。アニメ、漫画、ゲームなど、多くのメディアミックス作品に登場し、それぞれの作品で設定やストーリーが若干異なります。

歴史

建国

ZAC1957年、風の部族長ヘリック・ムーロアが中央大陸を統一し、ヘリック共和国を建国しました。ヘリックは初代国王として迎えられ、民主主義的な制度を導入し、各部族が平等に扱われる統治を行いました。

ゼネバス帝国との対立

ZAC1975年にヘリック・ムーロアが死去した後、ZAC1978年に長男のヘリックII世が王制を廃止し、自ら大統領に就任します。同時に、次男のゼネバスが共和国軍司令官に就任しますが、ゼネバスは外征を主張し、ヘリックII世と対立。この対立は決闘によって決着することになります。ヘリックII世は、ゼネバスを改心させるために故意に敗北しようとしましたが、議会と親衛隊はヘリックII世を支持し、ゼネバスは追放されることになりました。

ゼネバスは、ガイロス家のメンバーと共に大陸西部にゼネバス帝国を建国し、以後、中央山脈を国境として、大陸の東半分がヘリック共和国の領土となりました。

中央大陸戦争とその後

ZAC2051年の中央大陸戦争終結後、ヘリック共和国は旧ゼネバス帝国の領土を併合し、再び中央大陸全土を領土としました。しかし、惑星Ziの大異変によって一時的に壊滅的な被害を受けますが、ルイーズ大統領の下で復興が進められました。第二次大陸間戦争時代には、その豊富な資金力と工業力によって、ガイロス帝国の5～6倍の国力を持つに至りました。

ネオゼネバス帝国による占領と抵抗

ZAC2102年、鉄竜騎兵団の侵攻により中央大陸は制圧され、ネオゼネバス帝国が建国されました。共和国議会と軍は解散させられますが、共和国軍の残存部隊は各地に潜伏し、西方大陸への遷都を余儀なくされながらも抵抗を続けました。ZAC2108年には再上陸作戦を開始し、ZAC2109年には旧首都ヘリックシティにまで迫りました。

軍事

ヘリック共和国軍は、経済力と工業力に支えられた強力な軍隊です。

陸軍（機動陸軍）: シールドライガーなどの高速ゾイドや、ゴジュラスなどの格闘戦ゾイド、カノントータスなどの遠距離砲撃ゾイドを装備。
空軍（戦略空軍）: サラマンダーやレイノスなどの翼竜型ゾイドを中心に、制空、要撃、戦略爆撃など多様な任務に対応。
海軍: かつてはウルトラザウルスを擁し、艦隊戦力で優位に立っていましたが、惑星Zi大異変後は戦力が低下。ハンマーヘッドなどの新型ゾイドを導入し、戦力強化を図っています。

ゾイドの改造は、原種が持つ能力を尊重する形で行われ、機体ごとに個体差が生じることがあります。コクピットは視野の広いキャノピーで覆われ、武装は信頼性の高い実弾系兵器を採用する傾向があります。装甲は、ゾイドの運動性を重視して軽量なものが多く用いられます。

主要人物

ヘリック共和国には、多くの英雄やパイロットが存在します。

ヘリック・ムーロア：共和国の初代国王。卓越したリーダーシップで国をまとめました。
ヘリックII世：共和国の大統領。ゼネバスとの対立を経て、共和国を率いました。
ルイーズ大統領：惑星Zi大異変後の復興を主導しました。
ロブ・ハーマン：独立第十一機甲大隊を率い、西方大陸戦争で活躍しました。
アーバイン：共和国軍に所属する凄腕の傭兵。ゴジュラス・ジ・オーガのパイロットとして知られています。

地理

ヘリック共和国は、中央大陸を主な領土としていますが、西方大陸にも拠点を有しています。

ヘリックシティ: 中央大陸北東部に位置する首都。風の部族の本拠地であり、堅牢な城塞都市です。
ニューヘリックシティ: アニメ版に登場する西方大陸の首都。
中央山脈: 共和国とゼネバス帝国の国境となっていた山脈。
レッドリバー: 共和国と帝国が激戦を繰り広げた川。

ヘリック共和国は、ゾイド世界における主要な国家として、多くの物語の中心となっています。その歴史、軍事力、そして個性的なキャラクターたちは、多くのファンを魅了し続けています。

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