ライガーゼロ

ライガーゼロ：変幻自在の獣王

ライガーゼロは、トミー（現タカラトミー）から発売されたゾイドシリーズに登場する、ライオン型ゾイドです。最大の特徴は、チェンジング・アーマー・システム（CAS）と呼ばれる換装システムで、外装を換装することで、高速戦闘から砲撃戦まで、様々な戦況に対応できます。各メディアで主人公機として登場し、それぞれ異なる設定で描かれています。

概要

ライガーゼロは、1999年から2006年にかけて展開されたゾイド第2期シリーズで初登場しました。アニメ『ゾイド新世紀スラッシュゼロ』や『ゾイドフューザーズ』、漫画『機獣新世紀ZOIDS』、そしてトミーと小学館が展開していた『ゾイドバトルストーリー』の『ゾイド公式ファンブック3』など、多くの作品で主人公機として活躍しました。しかし、媒体によって設定が異なり、その活躍も多岐にわたります。

キット

トミー版のライガーゼロは、メカデザイナーの大河原邦男氏が担当しました。開発初期の呼称は「アルティメットライガー」で、換装形態もスピノライガー、タスクフォース、ヘビーアームズといった仮称で呼ばれていました。先代機であるブレードライガーがシールドライガーの部品を流用していたのに対し、ライガーゼロは全ての部品が新設計となっています。

動力部も専用に開発され、単4電池2本で稼働します。足首までの全関節を能動的に駆動し、口の開閉ギミックも搭載。CASを再現するため、各部装甲パーツは脱着式となっており、装甲を全て排除した状態（素体）でも歩行やギミック作動に支障はありません。頭部コクピットハッチ、背部ブースター、胴体フレームの一部と牙は塗装済みパーツとなっています。

素体状態での手動ギミックは、頭部コクピットハッチの開閉、各足の爪の開閉、尻尾の上下です。ノーマル（タイプゼロ）用の装甲パーツには、頬のたてがみ（冷却器）、腰部ダウンフォーススタビライザー、背部ブースターユニットの開閉、尾部ビームガンの俯仰ギミックがあります。

ブレードライガーと比較すると、牙は上下のあごと一体成型になり、上あごと動力フレームの接続はピン接続から挟み込む形に変更されました。下あごも1パーツ化され、動力フレームに引っかける形で接続されています。コクピットハッチの可動軸もはめ込み式に近い形状になり、尻尾も胴体フレームで左右から挟みつけるように固定されています。

バリエーション

RZ-041 ライガーゼロ: 2001年2月発売。3種類のカスタマイズパーツと組み替えることで、ライガーゼロイエーガー、ライガーゼロシュナイダー、ライガーゼロパンツァーの3種類の換装形態を再現可能。
EZ-054 ライガーゼロイクス: 2001年10月発売。帝国仕様のタイプゼロとイクスユニットの同梱版。ノーマル形態のアーマーは赤く、目は帝国軍仕様のグリーンになっている。
RZ-071 ライガーゼロフェニックス: 2003年10月発売。
FZ-001 ライガーゼロフェニックス: 2004年9月発売。アニメ「ゾイドフューザーズ」仕様でカラーリングは赤。ライガーゼロ本体はアニメでの仕様を再現し頭部の黒塗装が無くなっており、RDのフィギュアが付属。
FZ-016 ライガーゼロファルコン: 2004年12月発売。ライガーゼロとジェットファルコンのセット販売。カラーリングはアニメ『ゾイドフューザーズ』仕様に準拠。
ZGe-01 ライガーブルーソウガ: 2005年8月のイベントで限定販売。フレームの色はブルーに変更されているが、キット自体は従来のライガーゼロと同サイズ。
ZGe-04 ライガーレッドヒオウ: 2007年の電撃ホビー館にて限定発売。ライガーブルー・ソウガと同じくライガーゼロの仕様変更品。外装はクリアーピンク。
AZ-02 ライガーゼロ: 2023年9月発売。リアルさとアニメの再現性に近づけるためスタイリングをライオンのように変更。ビット・クラウドのフィギュアが付属。

HMM（ハイエンド・マスターモデル）シリーズ

HMM版では、各関節の可動ギミックとゾイドコアブロックの追加以外は、TOMY版と同じような手動ギミックのみになっています。肩部と脚部の独立可動や脚部の伸縮機構、ディスプレイベースへの対応により幅広いポージングが可能で、素体と装甲の着脱機構も再現されています。

CASバリエーションも順次商品化されており、ライガーゼロ素体とのセットとアーマー単品の双方が発売されています。付属したストーリーはアニメ『ゾイド新世紀スラッシュゼロ』をベースにしたものが掲載されています。

『ゾイドバトルストーリー』におけるライガーゼロ

オーガノイドシステムを採用せず、西方大陸種の完全な野生体をベースとしたライオン型ゾイド。「新獣王」の異名を持ちます。元はガイロス帝国が、過去のライガータイプの戦闘データやエレファンダー、デススティンガーのノウハウを取り入れ、「U作戦」の一環として開発した機体です。

完全野生体ベース機

従来の戦闘用ゾイドは、ゾイドコアをベースに機械の体に組み込むサイボーグ化が一般的でした。しかし、ZAC2056年の惑星Zi大異変以降、ゾイドの保護政策により人工的な培養やクローニングが進み、ゾイド本来の生命力が低下。戦闘ゾイドとしての性能も低下していました。

特に帝国ゾイドはその傾向が強く、性能向上には限界がありました。西方大陸戦争ではオーガノイドシステムが発掘されましたが、パイロットへの負担やゾイドの精神破壊を招くため、採用は見送られました。そこで、ゾイド開発者は完全野生体に着目し、新しいゾイドの開発を行ったのです。

完成した完全野生体採用ゾイドは、上記の問題を解決し、オーガノイドシステム搭載機に引けを取らないパワーを獲得。高い反応速度や回復力も有する機体となりました。ただし、パイロットとのシンクロ率によって能力が大きく変化する上、野生ゾイドの確保が困難なため、量産性に欠けるという課題もありました。

CAS（チェンジング・アーマー・システム）

ライガーゼロ最大の特徴であるCASは、フレーム以外の外装を全て換装することで、機体コンセプトを180度変えることを可能にしました。これにより、1機のゾイドで高速戦闘から砲撃戦闘までこなせる、幅広い戦略的運用が可能になったのです。

共和国軍では、帝国軍が残したデータからタイプゼロを製作し、さらに独自に3種類の装備を開発。装備を後付け式にすることで、ライガーゼロは完全野生体が持つ本能を色濃く残すことに成功しました。しかし、CAS導入によりコストがブレードライガーの3倍以上に跳ね上がり、ケーニッヒウルフの開発を迫られることになりました。同システムは後にZOITEC社のゾイドブロックス技術と融合し、B-CASとしてフェニックスやファルコンが製作されました。

換装形態

ライガーゼロは、CASによって以下の形態に換装できます。

素体: 全ての装備を取り払った状態。運動性が向上するが、あらゆる性能が低下する。ゾイド自身の本能を最大限に発揮できる。
タイプゼロ: 最も基本的な形態。野生体の本能を引き出し易く、汎用性が高い。
イエーガー: 高速戦闘形態。ライトニングサイクスに対抗するために開発された。運動性能に優れるが、装甲は脆弱。
シュナイダー: 格闘戦用形態。巨大ゾイドの重装甲を打ち破るために開発された。格闘能力に優れるが、稼働時間が短い。
パンツァー: 砲撃形態。シールドライガーDCSの発展形。火力と機動力を両立しているが、稼働時間が短い。
イクス: 帝国軍が開発したCAS。ステルス性能に優れ、万能な装備を持つ。
フェニックス: ブロックスゾイド・フェニックスと合体した形態。機体出力が向上し、運動性が飛躍的に向上する。
ファルコン: 隼型ブロックスゾイド・ジェットファルコンと合体した形態。高速戦闘能力に優れ、ライガーゼロ究極の形態とされる。

ライガーゼロは、その多様な形態と活躍によって、多くのファンを魅了し続けています。

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