ケープクロス

ケープクロス：競走馬から種牡馬へ至る輝かしい軌跡

ケープクロスは、アイルランドで生まれ、競走馬として、そして種牡馬として、顕著な成功を収めたサラブレッドです。その名前はナミビアの岬に由来しています。競走馬としてのキャリアは順風満帆とは言い難く、3歳までは条件戦で2勝という平凡な成績に終わりました。転機が訪れたのは4歳時、ドバイへの移籍でした。しかし、ドバイでのダート競走2戦は目立った活躍とはならず、イギリスに戻ることになります。

イギリス復帰後、ケープクロスはロッキンジステークスに出走。10頭立ての9番人気、ブービー人気という下馬評を覆し、クビ差の接戦を制しました。この勝利は、ケープクロスのG1競走初制覇であり、そして長く待ち望んだ勝利の瞬間でもありました。しかし、この年はその後勝利を収めることができず、タイキシャトルが優勝したジャック・ル・マロワ賞では3着という結果でした。

5歳になると、再びドバイのダート競走に挑戦するも、結果は惨敗。そこで、芝路線への転向を決め、クイーンアンステークスとセレブレーションマイルというG2競走を連勝するという快挙を達成します。しかし、G1競走アットマイルステークスでは6着と惨敗し、このレースを最後に競走馬としてのキャリアに幕を閉じました。

ケープクロスの真価は、種牡馬として発揮されました。その産駒は世界中で活躍し、数々の栄光を手にしています。特に注目すべきは、シーザスターズとゴールデンホーンの2頭の凱旋門賞優勝馬です。加えて、カルティエ賞年度代表馬に2度輝いたウィジャボードも、ケープクロスの産駒です。ケープクロス自身と、その父が短距離馬であったにも関わらず、クラシックディスタンスで活躍する一流馬を輩出している点が、その遺伝子の潜在能力の高さを示しています。

2009年には、シーザスターズの活躍により、ケープクロスはフランスのリーディングサイアーに輝き、種牡馬としての評価を不動のものとしました。数々の名馬を輩出したケープクロスでしたが、2016年には生殖能力の低下により種牡馬を引退。そして、2017年4月21日、安楽死されました。

ケープクロスの主な産駒

ケープクロスの産駒は、世界中の競馬界に多大な影響を与えました。その代表的な産駒を以下に示します。

2001年産:
Ouija Board: オークス、愛オークス、BCフィリー＆メアターフ（2回）、プリンスオブウェールズステークス、ナッソーステークス、香港ヴァーズ
Mikki Street: ザビールクラシック

2002年産:
Seachange: ニュージーランド1000ギニー、マッジウェイステークス（2回）、ストーニーブリッジステークス、テレグラフハンデキャップ、ワイカトドラフトスプリント
Able One: チャンピオンズマイル、香港マイル
Gaze: ニュージーランドステークス
Kindacross: マナワツサイアーズプロデュースステークス

2006年産:
Sea The Stars: 英2000ギニー、英ダービー、エクリプスステークス、インターナショナルステークス、愛チャンピオンステークス、凱旋門賞

2007年産:
Behkabad: パリ大賞典

2009年産:
I'm Your Man: エプソムハンデキャップ
Nayarra: グランクリテリウム

2011年産:
オールステイ（日本で種牡馬入り）

2012年産:
Golden Horn: ダービー、エクリプスステークス、愛チャンピオンステークス、凱旋門賞
Guignol: バーデン大賞

2013年産:
Awtaad: 愛2000ギニー

2014年産:
* Walton Street: カナディアンインターナショナルステークス

これらの産駒以外にも、ケープクロスは多くの優れた競走馬を輩出し、その遺伝子の素晴らしさを証明しました。 ケープクロスは、競走馬としての成功だけでなく、種牡馬として類まれな才能を示し、競馬史に大きな足跡を残した偉大なサラブレッドと言えるでしょう。

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