ゲイリー・カーター

ゲイリー・エドマンド・カーター

ゲイリー・エドマンド・カーターは1954年4月8日にアメリカのカリフォルニア州カルバーシティで誕生した。彼はプロ野球選手として特に捕手のポジションでその名を馳せた。カーターは「キッド」という愛称で親しまれており、メジャーリーグベースボール（MLB）において多くの記録を打ち立て、野球殿堂入りを果たした選手である。

経歴

現役時代

カーターはサニーヒルズ高校に在籍中、野球だけでなくアメリカンフットボールやバスケットボールでも才能を発揮した。1974年9月16日、彼はモントリオール・エクスポズと契約し、20歳という若さでメジャーデビューを果たした。初年度の1975年にはオールスターゲームに選出され、自身初のシーズンで144試合に出場し、打率.270、17本塁打、68打点を記録した。

カーターは捕手という厳しいポジションでありながらも、他のポジションにも挑戦し、チームを牽引する存在となった。1981年にはオールスターゲームで1試合2本塁打を放ち、MVPにも輝くなど、印象深い活躍を見せた。さらに1984年には再度オールスターMVPを受賞し、打点王のタイトルも手に入れた。この年、カーターは106打点を記録し、次のシーズンにはニューヨーク・メッツに移籍する。

メッツに加わったカーターはリーダーシップを発揮し、初年度の1985年には32本塁打、100打点を達成した。1986年にはチームのワールドシリーズ優勝に大きく貢献。また、ワールドシリーズ第6戦では、延長戦での活躍によりチームの逆転劇を演出した。その年、カーターはMLBオールスターゲームとワールドシリーズの両方で1試合2本塁打を記録した唯一の選手となった。

しかし、1986年をピークに成績は徐々に下降していく。1989年にはFAとなり、その後はサンフランシスコ・ジャイアンツやロサンゼルス・ドジャースへ移籍した。彼の慈善活動が認められ、1989年にはロベルト・クレメンテ賞を受賞。現役最後の年となる1992年には再びエクスポズに復帰し、同年限りで引退を果たした。

引退後

カーターの引退後、1993年には彼の背番号「8」がエクスポズの永久欠番に指定された。しかし、2005年のチーム移転によりその地位は変更された。引退後はメッツの巡回コーチとして活動し、同時に2001年にはメッツ球団殿堂、カナダ野球殿堂に選出されるなど、名声をさらに高めた。2003年には野球殿堂入りを果たし、エクスポズの選手として初の栄誉に輝いた。

また、カーターは2005年から2007年までメッツ傘下のチームで監督を務め、2008年からは独立リーグで監督としてのキャリアも積んだ。2010年以降はパームビーチアトランティック大学のヘッドコーチとして指導者として活動した。

最期

しかしカーターは2011年に脳腫瘍が発覚し、2012年2月16日に57歳でこの世を去った。彼の死に対しては多くの追悼が寄せられ、エクスポズやナショナルズといったチームも追悼セレモニーを行った。彼の野球界への貢献と、その強いリーダーシップは今も多くの人々に記憶されている。

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