ゲオルギー・セドフ

ゲオルギー・ヤコヴレヴィチ・セドフ

ゲオルギー・ヤコヴレヴィチ・セドフ（1877年4月23日 - 1914年3月5日）は、ロシアの海軍軍人であり北極探検家として知られています。彼の生涯は、逆境に立ち向かいながらも北極点到達を目指した数々の挑戦に彩られています。

生い立ち

セドフは、アゾフ海北岸のクリバヤ・コサーという貧しい漁師の家庭に生まれました。幼少期の彼は、学校に通うことができず、14歳の時にようやく小学校に入学しました。その後は商店の倉庫係として働くことになりましたが、船乗りの物語に心を奪われ、船長を目指すようになりました。18歳の時、ロストフにある航海学校に入学し、1898年に卒業。その後は小型船の船長としての道を歩み始めましたが、海兵団に入ることでより大きな冒険に挑むこととなりました。

海軍での活動

海軍に加入したセドフは、1902年から1903年にかけて海洋調査隊の副隊長としてノヴァヤゼムリャの調査に参加。日露戦争の勃発に伴い、アムール艦隊の水雷艇艇長を務めました。戦後はカスピ海の調査に携わり、1909年にはコリマ川河口地域の調査隊長、続いて1910年には再度ノヴァヤゼムリャ島の調査隊長として活動を行いました。

北極探検の挑戦

1912年、セドフは北極点到達を目指す計画を立てます。この探検に必要な資金は10万ルーブルと見積もられ、政府に対して5万ルーブルの支援を求めましたが、実際に得られたのは1万ルーブルのみでした。それでもセドフは探検の準備を進めますが、装備や物資の質の低さ、さらには雇った狩猟船「聖フォーカ」の乗員が逃げるなど、多くの障害が立ちはだかりました。

1912年8月27日、結局、セドフと隊員5人、船員17名を乗せた「聖フォーカ」はアルハンゲリスクを出港します。船はノヴァヤゼムリャ北西部のフォーカ湾で最初の冬を越し、高い氷の壁に阻まれながらも調査を実施。その後、翌年の9月にようやくゼムリャフランツァヨーゼフに向けて出航し、グッカー島で再度越冬します。しかし、この越冬中に隊員全員が壊血病にかかってしまいます。

最後の日々

壊血病に苦しむ中、セドフは動けるうちに北へ向かうことを決意。1914年2月15日、船員のアレクサンドル・プストシュヌイとグリゴリー・リンニックと共に3台の犬ぞりで出発しますが、セドフは風邪を引き、体調が急速に悪化。1914年3月5日、ルドルフ島まで3キロの地点で彼は息を引き取りました。彼の遺体はルドルフ島のアウク岬に埋葬され、その後、仲間たちは越冬地に戻り、「聖フォーカ」は8月2日にアルハンゲリスクに帰還しました。

遺産

セドフの功績は、ノヴァヤゼムリャの地名や、フランツ・ヨーゼフ・ランドの氷河、岬、さらにはバレンツ海の島々に彼の名が刻まれることで、今もなお称えられています。彼の探検への情熱と死に対する勇気は、多くの人々に影響を与え続けています。

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