ノヴァヤゼムリャ

ノヴァヤゼムリャは、ロシア連邦のアルハンゲリスク州に属する北極海の列島で、「新しい大地」という意味を持ちます。この地域は、バレンツ海とカラ海に挟まれた欧州の最北東部に位置しており、主に南北の二つの大きな島、北島（セヴェルヌィ島）と南島（ユージヌィ島）で構成されています。二つの島は、幅わずか2〜3kmのマトチキン海峡で分かれており、南島はカルスキエ・ヴォロタ海峡を通じてヴァイガチ島と隔てられています。

地理

ノヴァヤゼムリャの総面積は約90,650 km²であり、その中で南島はツンドラ気候に覆われ、北島の大部分は氷河によって覆われています。最高地点は1547mですが、北島の面積の約半分、20,000 km²が氷で覆われています。この地域は非常に山がちで、ウラル山脈の一部としての特徴を持っています。

人口

2002年の国勢調査によると、ノヴァヤゼムリャの人口は2,716人で、その大半が行政の中心であるベルーシャ・グバに住んでいます。先住民としては、ネネツ人とユーラシアアヴァール人がそれぞれ約100人と50人ほどおり、彼らは漁業や狩猟などの生計を立てています。

主要な町

- ベルーシャ・グバ
- ロガチェイェヴォ
- スミノビチ
- マトチキンシャール
- リトケ
- ルサノボ
- クラシノ
- マールイエ・カルマクルイ
- ルースカヤ・ガバニ
- ポモルスコエ
- ラゲルノエ
- クレストーヴァヤグバ

交通

アルハンゲリスクからは週2回、ロガチェヴォ空港へ向かう飛行機が運行されていますが、ノヴァヤゼムリャへの訪問はロシア政府の特別許可が必要です。アクティブな軍事基地としての性格も持つため、訪問には制約があります。

歴史

ノヴァヤゼムリャは11世紀から12世紀にノヴゴロドの商人によって知られ、その後、16世紀に西洋の探検家が到達しました。中でも1553年にヒュー・ウィロビイが初めてこの地に入ったことは特筆に値します。また、1596年にはウィレム・バレンツがこの地域の北端を回ったことが記録されています。1860年代には定住が始まり、1870年にはマールイエ・カルマクルイが設立されました。その後、1926年にベルーシャ・グバが中心都市となりました。

核実験場

冷戦時代には、ノヴァヤゼムリャは重要な軍事拠点として知られ、ソビエト連邦による核実験場としても利用されました。1954年には、公式に核実験場としての宣言がされて以来、224回にも及ぶ核実験が行われ、現在も未公表の実験が続けられています。特に1961年のツァーリ・ボンバの実験は史上最大のもので、爆発により死の灰が遠く日本にまで飛来しました。

現在の状況

1990年以降は、環境保護団体による抗議が行われる中、核実験は減少傾向にありますが、臨界前の小規模な実験が続いている状況です。このように、ノヴァヤゼムリャは自然環境だけでなく、人間の活動においても歴史的な背景を持つ独特な地域です。

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