ゲオルク・コルベ

ゲオルク・コルベ（Georg Kolbe, 1877年4月15日 - 1947年11月20日）は、ドイツの彫刻家であり、20世紀初頭のドイツ美術界において重要な人物の一人です。ノルトライン＝ヴェストファーレン州のビーレフェルトで生まれ、建築家であった兄のルドルフ・コルベの影響も受けながら成長しました。


コルベは当初、絵画の道に進み、ドレスデン美術アカデミーやミュンヘン美術院で学びました。さらに、パリのアカデミー・ジュリアンでも研鑽を積み、1898年から1901年にかけてはローマに滞在し、彫刻家ルイ・テュアイヨンに師事しました。この時期に彫刻家としての才能を開花させ、初期の作品はテュアイヨンの影響が見られます。1901年にはオランダ人女性と結婚し、1902年にはライプツィヒに移住しました。


1904年、コルベはベルリンに移り、ドイツ芸術家協会のVilla-Romana-Preisを受賞しました。1905年には「ベルリン分離派」のメンバーとなり、美術商のパウル・カッシーラーと親交を深めました。1909年には、パリのサロン・ドートンヌに出展し、その際、オーギュスト・ロダンを訪ね、ロダンの影響を強く受けました。1911年には、マックス・リーバーマンの後任としてベルリン分離派の会長に就任しましたが、1913年に分離派が分裂した後は「自由分離派」に属しました。


第一次世界大戦中は、軍用車両のドライバーとして従軍した後、知人の外交官の尽力により、ドイツの同盟国であったトルコに滞在し、記念碑の制作に携わりました。1919年にベルリンに戻り、同年にベルリン芸術アカデミーの会員となりました。1921年までベルリン自由分離派の会長を務め、カッシーラーの画廊で「表現主義」の展覧会を開催しました。その後、コルベは国際的に著名な彫刻家となり、ナチス政権下でも多くの記念碑の制作を依頼されました。しかし、ナチスに必ずしも協力的ではなかったとされています。1936年にはフランクフルト・アム・マインのゲーテ賞を受賞し、1944年にはナチス政権によって作成された「重要芸術家リスト」にも登録されました。


1930年代後半には健康を害し、1939年には癌の手術を受けました。同年には、スペインの独裁者、フランコ将軍の胸像を制作しています。コルベは1947年にベルリンで亡くなりました。


コルベの作品は、新古典主義的な形態と象徴主義的な表現を融合させたもので、人間の感情や内面を深く掘り下げた作品が多く、特に裸体像においてその才能を遺憾なく発揮しました。彼の作品は、ドイツ国内だけでなく、国際的にも高い評価を受けています。


以下は彼の主な作品の一部です。

「跪く女」
「立ち上がる男」
「踊る女」
「朝」
「夜」
フランコ将軍の胸像



コルベは、絵画、彫刻の両方で卓越した才能を発揮した芸術家であり、20世紀前半のドイツ美術界を代表する一人です。その生涯は、芸術の変遷と社会の動乱を反映しており、今日においても多くの人々に影響を与え続けています。

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