コウベモグラ

コウベモグラ（神戸土竜）

コウベモグラ（学名：Mogera wogura）は、真無盲腸目モグラ科モグラ属に分類される哺乳類の一種で、日本固有種です。西日本を中心に広く分布しており、その生態や分類には興味深い特徴が見られます。

分布

コウベモグラは、本州、四国、九州、種子島、屋久島、隠岐諸島、対馬など、西日本に広く分布しています。しかし、紀伊半島には分布しておらず、この地域にはアズマモグラが生息しています。このように、コウベモグラとアズマモグラは、本州中部を境に分布域を分けています。

分類

1842年、動物学者のテミンクによって日本のモグラは Talpa wogura として命名されました。しかし、この時、標本の詳しい産地が記録されなかったため、その後の日本のモグラの分類に混乱が生じました。かつては、中国や朝鮮半島に分布するウシュリーモグラと同種であると考えられていましたが、近年の研究によって、染色体構成に生殖的隔離をもたらすほどの分化が認められ、独立種として扱われるようになりました。

形態

コウベモグラは、頭胴長が約125mmから185mm、尾長が15mmから24mm、体重が50gから175g程度です。比較的大型のモグラに分類されます。

生態

コウベモグラは、平地から山地まで幅広い環境に生息しています。地中にトンネルを掘り、そのトンネルを自身の縄張りとして生活します。トンネル内には巣を作り、巣の近くにトイレを作る習性があります。食性は主に肉食で、トンネルに落ちてきたミミズや昆虫などを捕食します。また、泳ぐこともでき、水辺までトンネルを掘った際には、水の中を移動することもあります。

アズマモグラとの関係

コウベモグラは、同属のアズマモグラと分布域を分けていますが、本種がアズマモグラを駆逐し、分布域を東へ広げていると考えられています。これは、コウベモグラの方が大型であり、より競争力があるためと考えられます。アズマモグラとの関係は、モグラの進化や生態を研究する上で重要なポイントとなっています。

参考文献

日本の哺乳類一覧

関連項目

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