コウライケツギョ

コウライケツギョ (Siniperca scherzeri)

コウライケツギョは、日本語では「コウライケツギョ」と呼ばれる淡水魚で、ケツギョ科に属しています。この魚は、朝鮮半島の河川流域や、中国東北部の各主要川に分布しており、地域によって多様な名称が存在します。例えば、朝鮮語では「ソガリ」（쏘가리）、中国語では「斑鱖」（バングイ）や「銭斑鱖」（チエンバングイ）などと呼ばれています。

分布

コウライケツギョは、漢江や大同江など朝鮮半島の河川および、アムール川や黄河、長江など、中国東北部を中心とした河川流域に分布しています。これらの地域は、コウライケツギョの生息に適した環境を提供しており、特に河川の中流域や渓流に多く見られます。

特徴

成魚はおおよそ40cmから50cmの長さに成長し、体型はケツギョよりも細長く、側扁した形をしています。吻は前方に伸びており、口は大きめです。尾鰭は独特のうちわのような形状で、背鰭は前部と後部で異なる形態を持っていて、前方には硬い刺があります。体色は淡褐色から紫色で、暗褐色の豹柄模様が施されており、周囲の環境にうまく溶け込む保護色として機能します。また、腹鰭・背鰭の後部・尾鰭には褐色の黒点が並び、視覚的な捕食者への警告効果があります。

生態

主に清流やダムに棲息するコウライケツギョは、肉食性で魚や水生昆虫、甲殻類などを捕食します。岩の隙間に身を潜めて静かに獲物を待つ習性があり、捕獲行動は非常に迅速です。捕らえた獲物の後は定位置に戻り、再び獲物を待つ姿勢を取ります。冬期間は活動が鈍り、春になると再び活発に活動し始めます。産卵は5月から6月にかけて行われ、浅瀬の石や砂の上に卵を産みます。

人間との関わり

日本では、冬季の低水温にも耐えうる特性から、在来種に影響を及ぼす可能性を懸念され、2005年に特定外来生物として指定されています。この魚は、特に高級食材として重宝されており、白身肉は癖が少なく、食感も良いことから広く消費されています。春先の旬には、特に美味とされます。

料理としては、メウンタン（辛味のある鍋）や刺身などが一般的で、中国でも蒸し料理や唐揚げとして食べられています。また、韓国のソウル漢江には珍しいアルビノ個体「ホワンソガリ」が生息しており、1967年には天然記念物として保護されています。

このように、コウライケツギョはその美味しさや生態について多くの人々に愛される魚として、各地で重要な存在となっています。

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