コガネグモ科

コガネグモ科について

コガネグモ科（Araneidae）は、鋏角亜門・クモ綱に属するクモのひとつで、特に種類の多さが特徴です。日本を含む世界中に分布し、身近に観察できるコガネグモやオニグモなど、様々な形態と生息の習性を有しています。彼らは丸網を基本にした巣を作ることで知られています。

形態的特性

コガネグモ科のクモは、高さがあまり盛り上がらないものが多く、体は厚みがあり、歩脚は太く頑丈です。眼は2列に並び、通常は8つの眼を持ち、左右の端に位置しています。雌に比べて雄はサイズが小さいのが一般的です。腹部の形は多様で、三角形や野球のホームベースの形に似ており、前側に肩のような突起を持つ種も多く存在します。特に熱帯地域には、様々な形や色彩の種が見られるのも特徴です。

生態と習性

この科のクモは基本的に造網性で、特に垂直な丸網を自在に張ります。例えば、コガネグモは小型の丸網を張り、中心に留まりますが、オニグモ類は大きな網を作り、隅に隠れる習性があります。また、夜に活動し網を修整するものも多く、ドヨウオニグモやマルゴミグモは、水平の丸網を好みます。さらに、イセキグモ類のように独特な捕獲方法を持つ種もおり、コオニグモモドキは網を張らずに通行する昆虫を捕らえることが知られています。

雄クモは雌よりも小型で、成虫になると雌の網を訪れ、特有の求愛行動を通じて雌にの意向を探ることも興味深い生態です。

分類

コガネグモ科には160の属と約2600の種が存在し、日本には約120種が分布しています。過去には他のクモ科との分類が混同されることもありましたが、現在の分類では関連性の高いジョロウグモ科やアシナガグモ科などと近縁関係にあるとされています。

代表的な属には、オニグモ属（Araneus）、ヒメオニグモ属（Neoscona）、コガネグモ属（Argiope）やトゲグモ属（Gasteracantha）などがあります。これらの属は日本国内でも広く見かけ、それぞれに特徴的な種を持ちます。

まとめ

コガネグモ科のクモは、多様な形や生息様式を持ち、さらに地理的な分布も広がっているため、クモ類の中でも特に興味深い分類群です。彼らの役割や生活様式を理解することは、生態系全体を知るためにも価値があると言えるでしょう。観察や研究を通じて、さらに多くの発見が期待されています。

出典:

- 浅間茂・石井規雄・松本嘉幸『改訂校庭のクモ・ダニ・アブラムシ』全国農村教育協会
- 小野展嗣『クモ学』東海大学出版社
- 八木沼健夫『原色日本クモ類図鑑』保育社

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