コガリムアビア航空9268便

コガリムアビア9268便墜落事故

コガリムアビア9268便（メトロジェット9268便）は、ロシアのコガリムアビア航空が運航していた国際チャーター便であり、2015年10月31日に発生した墜落事故は、航空史上最も悲惨な出来事の一つとなりました。この便はエジプトのシャルム・エル・シェイク国際空港を離陸し、ロシアのプルコヴォ空港に向かう途中でしたが、06:13 EST（04:13 UTC）にシナイ半島北部に墜落しました。

事故機には乗客217人と乗員7人が搭乗しており、うちロシア人が多数を占めていましたが、ウクライナ人4人、ベラルーシ人1人もいたことが確認されています。これにより、乗客乗員224人全員が命を落とし、ロシアとエジプトの航空史において最悪の事故となりました。特にこの事件は、エアバスA320ファミリーの機体による墜落としても最悪のものとされています。

機体の詳細

事故機はエアバスA321-231型で、機齢は18年で製造番号663、機体記号はEI-ETJでした。最初は1997年にミドル・イースト航空に納入されたこの機体は、その後様々な航空会社で運用されてきました。2012年にコガリムアビアが取得し、翌年からメトロジェットとして運航されました。この機体はIAE製V2533エンジンを2基搭載し、220席（全席エコノミークラス）のキャパシティを持っていました。事故当時の飛行時間は56,000時間、飛行回数は約21,000回でした。

乗客と乗員

9268便には217人の乗客が搭乗しており、その内訳として25人の子供が含まれていました。多くの乗客は紅海の観光地での休日を楽しんだ後、ロシアへ帰国するための便でした。ロシア大使館により乗客の多くがロシア人であったとの報告があります。機長は12,000時間以上の飛行時間を有し、事故機と同型の機体での経験も3,800時間ありました。

事故の原因

墜落直後、「イスラム国」が本件を自らの犯行と主張しましたが、エジプト当局はその主張を否定しました。加えて、過去に尻もち事故を起こしていた経歴もあり、機体に不具合があった可能性を示唆する意見もありました。著名な調査官は、データから機内爆発の可能性が高いと考え、エジプトの調査機関もテロ事件の可能性を取り上げ始めました。

本件が発生した後、ロシア大統領プーチンは墜落の原因がテロ攻撃であるとの見解を示しました。この事故を受け、コガリムアビアは2015年11月に運行停止を余儀なくされました。

映像化

この事故はメーデー!:航空機事故の真実と真相というドキュメンタリー番組でも取り上げられました。

この失惨な事故は航空業界に大きな影響を及ぼし、今後の航空安全対策の強化が求められることとなりました。

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