ココロノアイ

ココロノアイ：気性と才能の競演

ココロノアイは、2013年4月28日、北海道浦河町の酒井牧場で誕生した競走馬です。その血統背景には、1987年の桜花賞と優駿牝馬を制覇した名牝マックスビューティが曽祖母として名を連ねています。母系は、マックスビューティから続く希少なファミリーラインを受け継いでおり、その血統の価値は非常に高いと言えるでしょう。

しかし、ココロノアイは生まれつき脚が曲がっていたため、当初は競走馬として売却されることはありませんでした。その後、酒井牧場で競走馬として育成され、尾関知人調教師によって「ココロノアイ」と名付けられました。この馬名は、父馬であるステイゴールドと同じく、スティーヴィー・ワンダーの楽曲「心の愛」に由来しています。

2014年7月、ココロノアイはデビュー戦を迎えます。初戦では、翌年の毎日杯を制するミュゼエイリアンに僅差で敗れましたが、2戦目で初勝利を飾ります。そして、3戦目のアルテミスステークスでは、やや暴走気味な走りながらも、1番人気レッツゴードンキをハナ差抑え、重賞初制覇を成し遂げました。この勝利について、鞍上の横山典弘騎手は、ホクトベガを輩出した酒井牧場の馬で勝利できたことを喜びました。阪神ジュベナイルフィリーズでは3着に入賞するも、ゴール後には制御不能となり、逸走する場面も見られました。

3歳シーズンでは、チューリップ賞を制し、重賞2勝目を挙げます。しかし、桜花賞では10着と大敗、優駿牝馬でも7着（レース後に剥離骨折が判明）、秋華賞では14着と、クラシック競走では結果を残すことができませんでした。4歳シーズンも勝利には恵まれませんでしたが、善戦を続けました。しかしながら、府中牝馬ステークスへ向けた調整中に右前脚屈腱炎を発症し、現役を引退することとなります。

引退後は、生まれ故郷である酒井牧場で繁殖牝馬としての生活が始まりました。2018年4月6日には、ロードカナロアを父とする牝馬の初仔が誕生します。そして、2020年11月14日、その初仔であるルージュアドラブルが、デビュー戦で初勝利を収めました。これは、ココロノアイにとって大きな喜びであり、繁殖牝馬としての成功を示すものと言えるでしょう。

ココロノアイの競走成績は、netkeiba.com等のサイトで確認できます。血統表には、曽祖母であるマックスビューティをはじめ、地方重賞で活躍したマイネルアラバンサなどの近親馬が記載されています。その血統背景と、気性面での課題を抱えながらも重賞で勝利を収めた経験、そして繁殖牝馬としても活躍する姿は、ココロノアイという競走馬の魅力を存分に伝えています。彼女が残した功績は、競馬史に長く刻まれることでしょう。

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