ココ島

ココ島：秘宝伝説と生物多様性の宝庫

ココ島は、コスタリカ本土から南西に550km離れた東太平洋に位置する火山島です。ココスプレート上に存在する唯一の陸地であり、その地理的な孤立性から独自の生態系が育まれました。面積は約46.6平方キロメートルで、最高地点は634m。断崖絶壁に囲まれ、年間降水量が7,000mmにも達する熱帯雨林に覆われています。

海賊の財宝伝説と探検の歴史

1526年にスペイン人のフアン・カベサスによって発見されたココ島は、17世紀から19世紀にかけて海賊たちの隠れ家として利用されたという伝説があります。彼らが莫大な財宝を島に隠したと言われ、多くのトレジャーハンターが財宝を求めて島を探索しましたが、今日に至るまで発見されていません。この秘宝伝説が、ココ島の魅力を一層引き立てています。

世界が認める自然の宝庫

ココ島は、1978年に国立公園に指定され、1997年にはユネスコの世界自然遺産に登録されました。その登録基準は以下の通りです。

基準(9)： 陸上、淡水、沿岸、海洋生態系と動植物群集の進化と発達において、重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であること。
基準(10)： 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいること。

また、1998年にはラムサール条約登録地にもなりました。これらの登録は、ココ島が地球上でかけがえのない自然の宝庫であることを証明しています。

「サメの楽園」と多様な海洋生物

ココ島周辺の海域は、「サメの楽園」とも呼ばれるほど、多種多様なサメが生息しています。ジンベエザメ、アカシュモクザメ、ネムリブカ、クロトガリザメ、ガラパゴスザメ、ニシレモンザメなど、様々な種類のサメが観察できます。その他にも、オニイトマキエイ、カラスエイ、カジキ、マグロ、シロナガスクジラ、ハンドウイルカなど、多様な海洋生物が生息しており、赤道反流と他の海流の合流点であるため、豊かな生態系を育んでいます。

固有種と外来種の問題

陸上にも3種の固有種の鳥類、2種の固有種の淡水魚、2種の固有種の爬虫類が生息しています。しかし、元々哺乳類は存在しなかったこの島に、シカ、イノシシ、ネコ、ネズミなどの外来種が侵入し、生態系に深刻な影響を与えています。そのため、コスタリカ政府は入島制限や密猟の取り締まりを強化し、生態系の保全に努めています。

映画のモデルにもなった島

ココ島の神秘的な雰囲気と豊かな自然は、小説及び映画『ジュラシック・パーク』シリーズに登場するイスラ・ヌブラル島とイスラ・ソルナ島のモデルになったと言われています。

ココ島は、海賊の財宝伝説、世界が認める自然、そして多様な生物が生息する魅力的な島です。ダイビングスポットとしても人気があり、世界中の人々を魅了し続けています。

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