コスモスコンピューター

株式会社コスモスコンピューター：PCゲーム黎明期を彩ったメーカー

株式会社コスモスコンピューター（英: COSMOS COMPUTER）は、かつて日本に存在したPCゲームメーカーです。1980年代から1990年代にかけて、主にPC-8801シリーズやPC-9801シリーズなどのプラットフォーム向けに、数々のゲームを開発・販売しました。

概要

コスモスコンピューターは、東京都中野区の中野ブロードウェイ内にあったパソコンショップを母体として設立されました。パソコンショップ経営と並行して飲食店も経営しており、社名の「コスモス」には、パソコンショップが宇宙のコスモス、飲食店が花のコスモスという意味が込められていました。初期には、PC-8801シリーズやPC-9801シリーズだけでなく、シャープのX1シリーズ、富士通のFM-7シリーズ、MSXなど、当時の様々なプラットフォームへゲームを移植していました。

代表的なゲームとしては、戦略シミュレーションゲームの『レジオナルパワー』シリーズ、麻雀ゲームの『武蔵』（コンシューマー機にも移植）、日本初のリアルタイムロールプレイングゲームとされる『カレイジアス・ペルセウス』などがあります。これらのゲームは、現在プロジェクトEGGにて公開されており、当時の雰囲気を体験することができます。

また、アダルトゲームブランドとして「RISE」「うえぽん」「ルナーソフト」を立ち上げ、アダルトゲーム市場にも参入していました。

コスモスコンピューターは、ゲーム会社としては先進的な取り組みも行っていました。『レジオナルパワー』の拡張パックとしてシナリオ集を発売したり、BBS（電子掲示板）を開設したりしました。BBSでは、同社ゲームの攻略情報や、『レジオナルパワー』のオリジナル兵器の開発設定法などが公開され、地方からのアクセスも活発でした。

主な作品

1983年：WW-III 架空第三次世界大戦 (PC-88/SLG)
1984年：ミスターライオン (PC-88/ACG)
1984年：カレイジアス・ペルセウス (PC-88/RPG) - 日本初のリアルタイムRPGとされる
1985年：戦闘伝説エルフ (PC-88/ACG)
1985年：レッドスタック (PC-88/STG)
1985年：聖女伝説 (PC-88/AVG)
1986年：聖女ぱにっく (PC-88/AVG) - 聖女伝説の続編
1986年：超戦士ザイダー　バトル オブ ペガス (MSX/ACG)
1986年：超戦士ザイダー　大惑星ユング 魔神の侵攻 (PC-88/ACG)
1987年：億万長者 (PC-88/SLG)
1988年：麻雀最強武蔵 (PC-98/TBG) - 有名人データ集も発売
1988年：ウォーニング (PC-98/RPG)
1988年：キング・オブ・マジック (PC-98/SLG)
1990年：レジオナルパワー (PC-98/SLG) - シナリオ集も発売
1990年：億万長者2 (PC-98/SLG)
1991年：魔彩子雀 (PC-98/TBG)
1992年：レジオナルパワー2 (PC-98/SLG) - シナリオ＆エディタセットも発売
1992年：億万長者3 (PC-98/SLG)
1993年：レジオナルパワー3 (PC-98/SLG)
1993年：影忍伝 (PC-98/RPG)
1993年：マジクリメント　なりゆきまかせの虹色勇者 (PC-98/RPG)
1994年：パワーダービー (PC-98/SLG)
1998年：億万長者への道（Windows 95/SLG）

関連ブランド

RISE
うえぽん
ルナーソフト

関連人物・企業

CIRCUS - 『RISE』の制作に関わった松村和俊らが独立して1999年に設立。
MOONSTONE - 出身である恋純ほたるがCIRCUSを経て設立。
* 呉ソフトウェア工房

コスモスコンピューターは、PCゲーム黎明期において、独自の視点と先進的な取り組みで、多くのファンを魅了しました。その功績は、日本のゲーム史に深く刻まれています。

もう一度検索