コパ航空

コパ航空：中南米を繋ぐ翼

コパ航空（Copa Airlines）は、パナマ共和国を本拠地とする国際航空会社です。正式名称はCompañía Panameña de Aviación, S.A.で、COPAはその略称です。同社は、北米、中米、南米を結ぶ広大な路線網を有し、中南米における重要な航空ハブとしての役割を担っています。

ユナイテッド航空との深い繋がり

コパ航空は、長年にわたりユナイテッド航空（特に旧コンチネンタル航空）と緊密な関係を築いてきました。マイレージプログラム「マイレージプラス」（旧称：ワンパス）を採用し、コードシェア便を運航するなど、両社の連携は非常に強固です。さらに、機体のデザインにも共通性が見られます。この関係は、コパ航空の歴史と発展に大きな影響を与えています。

アライアンス加盟と変遷

コパ航空は、2007年にスカイチームにアソシエートメンバーとして加盟しました。しかし、提携先のコンチネンタル航空がスカイチームを離脱したため、2009年にはスカイチームから脱退。その後、2010年にはスターアライアンスへの加盟を発表し、2012年に正式加盟を果たしました。アライアンスの変更は、コパ航空の国際的なネットワーク拡大に大きく貢献しました。

1944年から続く歴史

コパ航空は1944年6月に設立され、1947年8月に運航を開始しました。パンアメリカン航空の支援とパナマ国内投資家グループによって創業された同社は、当初はエアパナマ・インターナショナルとの競争を繰り広げました。1979年に国内線運航を終了した後、ボーイング737-100を導入し、ジェット旅客機時代へと移行しました。

1990年代に入ると、コパ航空は中南米主要都市への路線拡大を積極的に展開します。アルゼンチンやチリなどの主要都市への就航に加え、1992年にはエルサルバドルのTACA航空と提携、パナマのトクメン国際空港を中南米の重要な接続拠点として確立しました。コスタリカのLACSA航空、グアテマラのアヴィアテカ航空などとの提携も実現し、トクメン国際空港は「米州のハブ」としての地位を確立しました。しかし、これらの提携は1998年に終了しました。

1998年にはコンチネンタル航空がコパ航空の株式の49％を取得し、本格的な提携関係がスタートしました。その後、コンチネンタル航空は出資比率を51％に増やし、ロゴも変更しました。当時、コパ航空はコンチネンタル航空のマイレージプログラム「ワンパス」に参加していました。しかし、2005年にはコンチネンタル航空の出資比率を段階的に減らし、最終的には約10％まで減少しました。

2005年にはコロンビアの航空会社アエロ・レプブリカの株式9割を取得し、コパ航空コロンビアとして子会社化、路線拡大と機材刷新を実施しました。同年、親会社のコパ・ホールディングSAはニューヨーク証券取引所に上場しました。

2009年にはコンチネンタル航空と共にスカイチームを脱退しましたが、2010年にユナイテッド航空によるコンチネンタル航空の買収を受け、スターアライアンスへの加盟へと繋がりました。

就航路線と機材

コパ航空は、北米、中米、南米の広範な地域に就航しています。具体的には、アメリカ合衆国、カナダ、メキシコ、コスタリカ、キューバ、ドミニカ共和国など多数の国々です。機材は主にボーイング社の旅客機を使用しており、その顧客番号はV3です。

歴史に残る航空事故

1992年6月6日、コパ航空201便（ボーイング737-204Adv）がパナマからコロンビアへ向かう途中に空中分解する事故が発生しました。姿勢指示器の不具合が原因とされ、乗員乗客47名全員が犠牲となりました。この事故は、航空安全の重要性を改めて認識させる出来事となりました。

まとめ

コパ航空は、70年近くにわたる歴史の中で、数々の困難を乗り越え、中南米を代表する国際航空会社へと成長しました。ユナイテッド航空との緊密な関係、スターアライアンスへの加盟、そして中南米における広大な路線網は、同社の大きな強みです。今後も、コパ航空は中南米の空の安全と発展に貢献していくことでしょう。

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