コプフ彗星

コプフ彗星（22P/Kopff）

コプフ彗星は、太陽系に存在する周期彗星の一つで、約6.5年の周期で太陽の周りを公転しています。この彗星は、1906年8月23日にアウグスト・コプフによって発見され、彼の名前にちなんで命名されました。

発見と観測

コプフ彗星は、ドイツのハイデルベルクにあるケーニッヒシュトゥール天文台で発見されました。コプフは、以前に撮影された写真乾板と比較することで、彗星の存在に気づきました。当初、11等級の彗星として観測されました。

1912年11月の回帰時には見失われましたが、1919年6月に予測位置よりもわずかに早く再発見されました。その後、1945年8月には8.5等級に達するなど、いくつかの接近時に観測されています。1951年10月の接近時には、予想よりも暗く観測されました。

軌道の変化

1943年には木星に0.57 auまで接近し、その影響で近日点距離と公転周期が減少しました。また、1954年にも木星に接近し、近日点距離が1.52 au、軌道周期が6.31年となりました。木星の重力が彗星の軌道に影響を与えていることがわかります。

近日点通過

コプフ彗星は、過去に何度も近日点（太陽に最も近づく点）を通過しています。主な近日点通過日時は以下の通りです。

1906年5月3日
1912年11月25日（観測されず）
1919年6月28日
1926年1月28日
1932年8月21日
1939年3月13日
1945年8月11日
1951年10月20日
1958年1月20日
1964年5月16日
1970年10月2日
1977年3月7日
1983年8月10日
1990年1月20日
1996年7月2日
2002年12月12日
2009年5月25日
2015年10月25日

次回の近日点通過は2022年3月18日であり、その後も定期的に近日点を通過すると予想されています。

彗星核とダストトレイル

コプフ彗星の核は、直径約3.0kmと推定されており、アルベド（反射率）は0.05とされています。2002年の回帰の際には、東京大学木曽観測所によって、彗星から放出されたダスト（塵）が可視光で観測されました。このダストの大きさは約1cmで、アルベドが非常に低く、密度が非常に高いことが判明しました。このダストの軌跡は「ダストトレイル」と呼ばれています。

コプフ彗星は、その周期的な回帰と、木星との相互作用による軌道変化、ダストトレイルの観測など、様々な点で興味深い研究対象となっています。

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